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高中のライヴの翌日は、この人の一斉リイシューを紹介するのが美しい。かつて高中バンドでキーボードを弾いていた小林 mimi 泉美のバンド・アルバム及びソロ・アルバム計6タイトルが、2021年最新リマスター/ボーナス・トラック収録で、大本のユニバーサルから24日にリイシューされる。タイトルは以下の通り。

●小林泉美& Flying Mimi Band
 『ORANGE SKY -Endless Summer- +2』(78年)
 『SEA FLIGHT +5』(78年)
●小林泉美
 『COCONUTS HIGH +4』(81年)
 『夏・NUTS・夏+2』(82年)
 『TROPICANA+1』(83年)
 『iK.i』(89年)

いずれも初CD化ではなく、78〜83年の5作に関しては、カナザワとタワーレコードのコラボによる【Light Mellow Picks × Tower To the People】シリーズで、12〜13年にタワー限定リイシュー済み。しかし当時のOEMスタイルの復刻では、おおよそストレート・リイシューがセオリーで、ボーナス・トラックの追加収録は認められていなかった。最近はその流れもスッカリ様変わりしているが、今回の再発はフォノグラム(Flying Mimi Band期)やキティ(ソロ期)の原盤権を持つユニバーサル本体からのリイシュー。ようやく決定版と言えるカタチになった。DJ御用達の激レア・シングル<スプーンダンス>も、『SEA FLIGHT 』に収録。その他のボーナス曲は、mimiさんご自身の提供によるカセット・デモがほとんどである。89年発表の『iK.i(イキ)』だけは、リアル・タイムでCDだったが、今回が初めての再発だ。

Flying Mimi Bandのメンバーは、清水靖晃(sax) 土方隆行(g) 渡辺モリオ(b) 渡嘉敷祐一(ds)、すなわち後年マライアを結成する面々が中心で、2作目ではドラムがマーティ・ブレイシーに交代。解散後mimiには、パラシュート、ザ・スクエア(後のT-SQUARE)、松任谷由実らからオファーが殺到。実際にパラシュート1st やユーミン OLIVEツアーには参加したものの、掛け持ちは難しい状況から、最終的に高中正義のバンドに合流した。併行して『うる星やつら』に代表されるアニメのテーマ曲や映画のサントラなどを数多く手掛けている。でも人気がうなぎ登りだった高中バンドに籍を置いたことが功を奏し、高中と同じキティでソロ契約を獲得。その後のソロ活動へと展開していく。

1stソロ『COCONUTS HIGH』はL.A.と東京での制作で、ハーヴィー・メイスンやアレックス・アクーニャ、エイブ・ラボリエル、パトリース・ラッシェン、ポール・ジャクソンJr、フレディ・ワシントン、タワー・オブ・パワーらが参加。現地で最新機材のリン・ドラムを購入し、東京でのセッションに使ったというから、佐藤博に勝るとも劣らない早さである。東京では高中や高中バンドの面々も参加した。

2nd『夏・NUTS・夏』は、タイトル通りのトロピカル・サウンドをニュー・ウェイヴ仕立てで構築したアルバム。高中バンドの面々のほか、布袋寅泰、ジャズの稲葉国光や高杉登なども参加している。次の『TROPICANA』も同路線を進めつつ、アンビエントやミニマル・ミュージックなど実験的な足音も。mimiがアレンジャーとして絡む池田典代、H2Oのクレジットもある。

しかし『TROPICANA』のリリース後、80年代中盤に突如渡英。ドイツ人のエクスペリメンタル・ミュージックの第一人者ホルガー・ヒラーのツアー・サポートに参加するため、だった。同じ頃、ナラダ・マイケル・ウォルデンからも誘われたらしいが、アンダーグラウンドなところで前衛的活動にも手を染めていたため、ロンドン行きを選んでいる。意に添わぬTV出演なども多く、多忙すぎて一旦自分をリセットさせたいと思ったらしい。だがそれがそのままヨーロッパに軸足を移すことに繋がって、日本の音楽シーンからは忽然と姿を消すカタチに。そんな中でヒラーのプロデュースで作ったのが『iK.i』で、これはかなり斬新。前後してスウィング・アウト・シスターやデペッシュ・モードのセッションにも参加しているが、それがシッカリ情報として流れてくるコトはなく、やがてはほとんど行方不明のような状態になった。日本での活動を再開したのは、ホンの3年前。コロナが無ければ、今頃は東京とロンドンを行き来しながら活動を続けていたはずである。

なお24日の発売と同時にサブスクも解禁されるそうなので、試聴したい方はそちらをチェック。