santana 3

最近作『BLESSINGS AND MIRACLES』が好評なサンタナだけど、コチラはリリースから50年。 サンタナの初期名盤『SANTANA III』が、SA-CDマルチ・ハイブリッド・エディション盤で世界初登場となった。装丁も7インチ紙ジャケット仕様で、何ともインパクトのあるルックス。中には<Everybody's Everything>と<No One To Depend on>の日本盤シングル・ジャケット、海外告知ポスターのレプリカが封入されている。

実際のマスターは、72年に登場したクアドラフォニックSQ盤のアナログ4chミックスをベースにしたサラウンド・ミックス。いわゆる5.1chとは違って、スーパー・ウーファー未使用のミックスだから、正直ベースがショボく聴こえてしまう楽曲もチラホラ。でもその一方で、かなり大胆なミックスが楽しめるのもクラドラ盤の面白いところで、ジェフ・ベックの『BLOW BY BLOW』『WIRED』のクアドラ盤では、マジおったまげの傍若無人なミックスにブッ飛んだ記憶がある。今となっては、音域がナローで分離効率が低く、時に楽器がダンゴ状態にも感じられるクアドラ・ミックス。でもサンタナのように音数が多いとマルチの面白さが倍増。パーカッションの乱舞に囲まれる快感は、ちょっとクセになりそうだ。

作品的には、人気曲テンコ盛りの2作目『ABRAXAS(天の守護神)』とクロスオーヴァー色が強くなる『CARAVANSERAI(キャラヴァンサライ)』という2大名作に挟まれて、ややインパクトを欠くキライが…。でもまだ10代だったニール・ショーンをセカンド・ギタリストに迎えたバンドのポテンシャルは滅法高く、怒涛の勢いに満ち溢れている。 グレッグ・ローリーのドスの効いた歌声も好調で、後のジャーニー勢の活躍が目立っていたり…。パーカッションには、シーラE.の叔父にしてソロ作も出すコーク・エスコヴェードがゲスト参加。ラテン・ロックの雄サンタナとしては、最も華のあるアルバムと言えるかもしれない。

改めて50周年に浸るには、格好のリイシュー盤。『キャラバンサライ』のマルチ・ミックスも楽しみだ。