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某メジャー・レコード会社で来年のリイシュー・プランについてミーティングした後、1年10ヶ月ぶりの海老原諒×外園一馬 AOR Night を観に 三軒茶屋 Grapefruit moonへ。今回がVol.12というコトだが、このイベントにはもう数回 足を運んでいるな。しかも前回はシティ・ポップ編(詳細はこちらのレポから)だったので、ピュアなAOR Nightとしては、19年11月以来(詳細コチラ)になる。でもこうして見ると、ついこの前のコトのように感じられるものの、実際はどちらも2年前後が経っているワケで、これはもうほとんど歴史のようですな…

出演メンバーは、いつもの海老原諒 (dr)、外園一馬 (g,vo)、西脇辰弥 (kyd)、藤原美穂 (vo)、林あぐり (b)に、ゲストの渡辺裕太 (g)、坂本暁良 (dr) を迎えるカタチで。まずは小手調べ風に<On and On>と<Him>をキメたあと、グッと心を掴まれたのが<Chuck E’s In Love>。イノセントにもなればアバズレにもなるリッキー・リーの天真爛漫なヴォーカルが、レインボー・ヴォイスの持ち主と言われる美穂さんの変幻自裁な歌声にピッタリなのだ。

<Georgy Porgy>ではエビちゃんの片手16ビート、<I’m a Camera>ではステイ・ホーム期間中に練習を重ねたというゾノ君の(ジェイ)グレイドン・ソロのパートがハイライト。<No Explanation>はピーター・セテラが『PRETTY WOMAN』のサントラで歌った曲だが、彼らはデヴィッド・フォスター・トリビュートのオムニバス『FLY AWAY』でビル・ラバウンティが歌っていたヴァージョンをカヴァー。アレンジ的には少し地味だけれど、その分 大きくフィーチャーした西脇さんのハーモニカが味わい深く。あまり知られていないけれど、西脇さんはハーモニカ奏者としても知る人ぞ知る存在で、実は2枚あるaosis Lebel発のソロ・アルバムは、どちらもハーモニカをフィーチャーしたモノ。カナザワの当時の愛聴盤でもあった。また海老原・外園世代にとっては、あの『FLY AWAY』というフォスター・トリビュート・コンピがとてもインパクトがあったみたいで、それこそブルー・ペパーズのコンビも、あのアルバムで意気投合したことが親しくなったキッカケのひとつ、なんて言ってた記憶がある。あの『FLY AWAY』の日本リリースを推進した者として、これはとても鼻が高いな。

そしてこのユニットの定番曲で安定の<Livin’ it Up>、そして変態リズム・パターン炸裂のペイジス・カヴァー<O.C.O.E.>へ。MCでもこの曲の難しさ、特にヴィリー・カリウタのドラミングについて語っていたけど、演奏中は半ば顔を引きつらせながらも、みんな嬉々として笑顔が溢れていて、深〜いAOR愛が伝わってくる。ステージもオーディエンスも一体となった高揚感の中に、シッカリとプロとしての矜持を見せつけてくれるあたりが、彼らのライヴの素晴らしさだ。

この後は、まずギターの渡辺裕太が参加して、ツイン・ギターでルカサー名演<Take Me to Your Heaven>を。この方、カナザワ的にはほとんどお初だけど、芸人キャラの上に、顔で演奏するお方。弦をベンドすると、口元まで一緒にベンドするロック系に多いタイプ。それでもこの人ほど顔ほど表情豊かな人は初めてで、抜群のショーマン。オーディエンスに両手を上げさせて左右に大きく振らせるなど、まるでアイドル・コンサートのノリ。このAOR Night でこれほど思い切り笑ったのは、初めてだな もちろんギターのハモリもサイコーで。

続いては、代わりにドラムの坂本暁良が入ってダブル・ドラム編成に。「あの後じゃあ〜やりづらい」とボヤキつつ、こちらはドッシリした演奏で魅了してくれた。この坂本クンもカナザワ的には初めてだけど、どうやら江口信夫の弟子らしく、現在は森高千里のツアーに付いているみたい。で、エビちゃんと共に聴かせたのは、ポール・サイモン<50 Ways to Leave Your Lover(恋人と別れる50の方法)>。すなわち、スティーヴ・ガッドの歌モノ名演のひとつとされる難曲に挑戦、というワケだ。でも2人で演ったからと言って難易度が下がるワケじゃなく、むしろガッチリとフィットさせないとイケない分、難易度は逆にアップしてしまう。でもカナザワは偶然にもシートのポジションがよく、ちょうど2台のキットのセンターで、ドラムがLRのパラレルに聴こえる気持ち良い状態。西脇さんもピアノ・ソロを弾き倒し、ヤンヤの喝采を浴びていた。

笑いながら、感心しながら、のステージは早いもので、もう終盤。<What ‘cha Gonna Do for Me>は、ネッド・ドヒニーのヴァージョンながら、近年になって発掘された83年頃のオリジナル・ヴァージン。コレレ、演奏は申し分なかったけど、どうせならチャカ・カーン・ヴァージンもミックスして、ゾノ&美穂で交互に歌うともっと良かったかな。そしてラストに<Baby Com Back>を抑えめにキメて、アンコールでクリストファー・クロス。

いやぁ、最初に書いたように、全12回のうち半分くらいは観ているライヴ。だけど自分が知る限り、今回が一番盛り上がった感じ。是非また来年もヨロシクです。

01. On and On / Stephen Bishop
02. Him / Rupert Holmes
03. Chuck E’s In Love / Rickie Lee Jones
04. Georgy Porgy / TOTO
05. I’m a Camera / Marc Jordan
06. No Explanation / Peter Cetera
07. Livin’ it Up / Bill LaBounty
08. O.C.O.E. / Pages
09. Take Me to Your Heaven / Wilson Brothers
10. 50 Ways to Leave Your Lover / Paul Simon
11. What ‘cha Gonna Do for Me / Ned Doheny
12. Baby Come Back / Player
Enc. Ride Like the Wind / Christoper Cross