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新年2日目。昼間は墓参と相方の実家へ挨拶に行ったが、帰宅後はせっせと仕事。イヤ、実はもう元旦の夜から手を付けている音専誌向けのリスト制作の仕事があるんですけど。でもって和モノCDの山。久しぶりにニュー・ロック系や沢田研二、泉谷しげる with LOSERなんか聴いちゃったりして…。その流れで手にして、パタッと手が止まり、思わず聴き入ってしまったのがコレ、PANTA & HAL の79年作『マラッカ』だ。

PANTAと聞いて、すぐ頭脳警察を思い浮かべる人は、もう50〜60歳台か。PANTAは1975年いっぱいで頭脳警察を解散させ、ソロ活動を開始。79年にこの3枚目のソロ作にして、PANTA & HAL の最初のアルバムを発表した。HALという名前は、スタンリー・キューブリックの映画『2001年宇宙の旅』(カナザワの大好きな映画だ!)に登場するスーパー・コンピュータ:HAL-9000に由来する。

でも問題はそのメンバー。PANTA以外は、ギター2人にドラムとベースというシンプルな編成だが、そのギターの片割れが、何とパラシュート参加前の今 剛なのだ。HALは結成からの1年半をライヴとリハーサルによるデビュー準備期間に当てていたが、今はまだ19歳になったばかりだったらしい。レコーディングにはペッカー(perc)や小田健二郎(kyd)が参加している。

プロデュースはムーンライダーズの鈴木慶一。彼はこれが初の外部プロデュース作品で、かなり苦労したそうだが、その甲斐あって、日本のロック名盤に数えられる好盤に仕上がった。ムーンライダーズからは武川雅寛が弦アレンジで協力。<極楽鳥>は77年に事故死したマーク・ボラン(T.レックス)を歌ったものだ。

頭脳警察時代の過激なアジテーションはオブラートに包まれているが、パンクやニュー・ウェイヴの時代だけあって、メッセージ性は豊か。テーマは「東京」を俯瞰することで、ヴォーカルがパワフルなら、サウンドメイクもキレッキレだあ。レゲエ・チューンが多いのは、ボブ・マーリーというよりザ・ポリスへの意識だったかも。でもそれに一番貢献しているのが、他ならぬ今 剛で、大胆なギター・ソロといい、切れ味鋭いカッティングといい、素晴らしいのひと言。「パンクはキライ」という旨の発言もあったらしいが、このアルバムはアティチュードはそこでも、サウンドにはクロスオーヴァーなテイストがある。本作リリースを機に脚光を浴び、スタジオ・シーンに彗星の如く登場していく今 剛のその原点が、ココに刻まれていると言っていいだろう。

新年早々、ヤケドしそうな熱さにエナジーもらいました。