john lee & gerry brown

昨年ユニバーサル・ジャズが展開していた【入手困難盤復活!! 名門レーベルに残されたJAZZ秘蔵の名盤】シリーズから、LAブルーノートにアルバムを残したリズム・コンビ:ジョン・リー&ジェリー・ブラウンの75年2nd。白人のベース奏者ジョン・リーと黒人ドラマー:ジェリー・ブラウンは、共にフィラデルフィア生まれで、ハイスクール時代からしばしばコンビを組んで活動していた。地元音楽学校を出たジョンは、ニューヨークでジョー・ヘンダーソンやファラオ・サンダースのグループで活動。一方ローランド・カークと共演していたジェリーは、ある時ハービー・ハンコックからヨーロッパ行きを勧められ、それで2人でオランダに渡った。

渡欧した彼らは、フルート奏者クリス・ヒンゼのバンドに加入。リアル・クロスオーヴァーなそのバンドで次第に頭角を現し、ヒンゼ主宰のレーベル;キートーンから初のコンビ・アルバム『INFINITE JONES』(74年)を発表している。しかし翌年には米国へ戻り、ブルー・ノートと契約。75年にコンビ2作目『MONGO SUNRISE』をリリース。ワー・ワー・ワトロン、イーフ・アルバース、フィリップ・カテリーンという3人のギタリストを見事に使い分けて話題になった。録音もニューヨーク、アムステルダム、ブリュッセルで行なわれ、1曲だけキーボードでエリック・タッグが参加。解説では「おそらくリー・リトナーとの共演で知られるシンガーと同一人物だろう」なんて曖昧なコトが書いているが、この人は彼らが一緒にメデューサというプロジェクトでアルバムを出していたり、エリック・タッグがオランダで2枚のソロ作を出しているコトなど、きっと知らんのだろうな。

で、コンビ3作目、ブルーノートでは2枚目になる、この『STILL CAN'T SAY ENOUGH』。今回は前作からガラリと陣容を変え、バリバリのフュージョン・オールスターズ状態。ブレッカー兄弟にデヴィッド・サンボーン、ゲイリー・バーツ、ロニー・キューバー、ジョン・ファディス、アーニー・ワッツという豪華ホーン陣に、エムトゥーメイの主要メンバー(エムトゥーメイ、レジー・ルーカス、ヒューバート・イーヴス、タワサ・エイジー)、そしてギターのレイ・ゴメスが参加している。そのメンツなら、自ずとアメリカンなジャズ・ファンク色が濃くなり、<Love The Way You Make Me Feel>や<Talkin' Bout The Right One>のようなメロウ・ファンク系ヴォーカル・チューンも。エムトーゥメイとジョン・リー&ジェリー・ブラウンのリズム隊にサンボーン入りのブレッカー・ブラザーズのホーンが乗ったファンキー・グルーヴ<Strut 'N' Get Up>なんて、まるでアース・ウインド&ファイアーがインストを演ったみたい。そして次の<Breakin'>では、レイ・ゴメスとロブ・フランケン(kyd)が、ジェフ・ベック&ヤン・ハマー張りの激しいインタープレイを応酬する。

このあと2人は米コロムビアへ移って1枚、更に発展形のメデューサで1枚。その後は単独活動が増え、ジョンはアルフォンス・ムゾーン率いるイレヴンス・アワーに参加したり、ディジー・ガレスリーやヨアキム・キューンと共演。ジェリーはスタンリー・クラークやリターン・トゥ・フォーエヴァーに軸足を移していく。

コレぞまさに、LAブルーノートの音。1100円で買えるうちに買うときや〜