aran tomoko 3

ドッヒャ〜 コイツはかなりの事件かも。空前のシティ・ポップ・ブームの中、来月2月に村田和人『ひとかけらの夏』、松下誠『FIRST LIGHT』、亜蘭知子『浮遊空間』の3枚が、それぞれボーナス・トラック入りのSACDハイブリッド仕様で再発される。年末〜年明けにかけてその解説を書いていたが、そのうちの亜蘭知子『浮遊空間』にコトが起きた。コレはもしかして、竹内まりや<Plastic Love>、松原みき<真夜中のドア〜Stay with me>に匹敵する…、イヤもしかしたら、それを凌ぐような世界的人気曲になっていくかも。

それは、オルタナティヴR&B人気アーティスト:ザ・ウィークエンドが、今日デジタル先行リリースした2年ぶりのニュー・アルバム『DAWN FM』に於いて、上掲アルバムの収録曲<Midnight Pretenders>を、“まんま” サンプリング使用しているのだ。問題の曲は<Out Of Time>で、<Midnight Pretenders>のヴァース部分をほぼそのまま、ネタ使いしている。

もともとこの<Midnight Pretenders>は、海外のヴェイパーウェイヴやフィーチャー・ファンク人気を受けて注目され、同じアルバムの<I'm In Love>と共にアルバム『浮遊空間』の人気をリード。再発アナログはアッと言う間にプレミア化しし、昨年9月には、この2曲のダブルサイダーがカラー・ヴァイナルでシングル・カット。それも即完という熱い支持を受けた。カヴァーでは、2020年に活動を停止したバーチャル・シンガー:EMMA HAZY MINAMIが逸早く取り上げていたが、今回は世界的な人気を誇るUSのオルタナティヴR&Bアーティスト:ザ・ウィークエンドの最新作でのハナシ。その注目度は、まるで比べモノにならない。

シティ・ポップの人気曲がネタ使いされる例は、アジア圏のDJやシンガーなど数多い。…というか、話題になるのは、そちら系がほとんどだ。でもそれが本場USの第一線で活躍しているアーティストとなると、ラッパーのタイラー・ザ・クリエイターが山下達郎<Fragile>をネタに<Gone, Gone, Gone / Thank You>作ったのが目立つくらいか。それがザ・ウィークエンドなら、完全にそこを覆すことになる。ちなみにこのザ・ウィークエンドの新作『DAWN FM』には、タツローさんをネタ使いしたタイラー・ザ・クリエイターも参加。更にクインシー・ジョーンズ、リル・ウェイン、それにジム・キャリーもフィーチャーされている。…となれば、<Out Of Time>の元ネタとして<Midnight Pretenders>がいっそう注目されるのは間違いない。

『浮遊空間』は、亜蘭知子が83年に発表した3作目。今でこそ彼女の作品でもダントツの人気だが、当時はあまり注目されず、むしろレコード・ジャケットに採用され始めた斬新なコンピュータ・グラフィックスが注目されたほど。アレンジ&サウンド・プロデュースは、85年にFence of Defenceを結成する西村昌敏(麻聡)で、作曲も2曲を除いて西村が手掛けている。その例外のうちの1曲が、織田哲郎が提供した<Midnight Pretenders>だった。