nik kershaw

廉価版があるうちに、というコトで、ユニバーサル【入手困難盤復活!! 続・ロック黄金時代の隠れた名盤〈1976-1985編〉】から、ニック・カーショウのヒット作『THE RIDDLE』を。84年に発表された2nd。ニック・カーショウというと、80年代ブリティッシュ・ポップ若手御三家として、ハワード・ジョーンズやポール・ヤングと共に女性人気が高かった一人。そのおかげで要らぬ先入観が生まれてしまい、真剣に聴くのがが遅れてしまった。遅ればせながらシッカリ聴いたのは、90年代になってから。89年リリースの4th『THE WORKS』が、ピーター・ウルフのプロデュースと知ったのがキッカケだった。

ピーター・ウルフはもちろんJ.ガイルズの…、ではなく、元フランク・ザッパのkyd奏者だった方。80年代後半は、スターシップやコモドアーズ、セルジオ・メンデス&ブラジル'88、ケニー・ロギンス、ワン・チャンらを手掛けてヒットを生み、奥様アイナとのウルフ&ウルフ〜ヴィエナでもアルバムを出していた実力派。それで興味を持って、実際はなかなか職人肌のアーティストだと知った。

この2作目では、アルバム・タイトル曲<The Riddle>、<Wide Boy>、そして<Don Quixote(ドン・キホーテ)>が相次いで全英トップ10ヒットに。そうしたヒット曲はおおよそ知っていたが、かのライヴ・エイドにも出演していたのは、まったく記憶にない

でも後追いでこのアルバムを聴いて、ニックが置かれるべきポジションや、アーティストとしての重要性が、一気に見えてきたのを覚えている。ジョージ・マイケル、ハワード・ジョーンズ、ポール・ヤングあたりとはもちろん遠くないが、自分の中ではデュラン・デュランやスパンダー・バレエあたりの第2次ブリティッシュ・インヴェンジョン勢と、レヴェル42やセントラル・ライン、リンクス(=デヴィッド・グラント)などジャズ・ファンク勢のクロスポイントかな、と。とりわけ個性的なメロディ作りのセンスがレヴェル42に共通していて…。そこでクレジットを見たら、<Easy>という曲のベースをマーク・キングが弾いていた。なるほどね〜。

時代を追ってみると、この時期はちょうど、インスト中心だったレヴェル42がヴォーカル曲を増やし、ポップ・ファンクへ移行しつつあった時期。ガラリとイメージを変えた『WORLD MACHINE』のリリースがニックとの共演の翌85年、<Something About You>が全米トップ10入りするのが86年である。おそらくマーク・キングは、ニックの音楽性にインスパイアされたに違いない。

一方ヒットが出なくなったニックはソングライターに転向し、チェズニー・ホークスに提供した<The Only And One>が全英トップに。その後もエルトン・ジョン、ボニー・タイラー、ジェネシスのトニー・バンクス、イモージェン・ヒープらとコラボしつつ、マイペースで自分のアルバムを作っている。この人も何かのキッカケで再評価に値する人だ。