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年明け早々仕事が結構テンコ盛り。それでも若干の余裕アリで、ギター・マガジン最新号の特集『レイド・バック期のエリック・クラプトン』をサラリと読んでいたら、思わずコレに手が伸びた。2013年末に出た6枚組ボックス『GIVE ME STRENGTH ~ The '74/'75 Recordings』。その名の通り、この時期の録音を集成したもので、『461 OCEAN BOULEVARD』と『THERE'S ONE IN EVERY CROWD(安息の地を求めて)』、そしてライヴ盤『E.C. WAS HERE』それぞれの拡大エディションに加え、フレディ・キングとの74年のセッション、そしてスタジオ盤2作のサラウンドとクアドラ・ミックスを収めたBlu-rayから成る。もちろんフルに聴いてる時間はないので、ライヴ盤『E.C. WAS HERE』の2枚組エキスパンデッド・エディションのみピックアップ。

確かこのボックスが出た時にも書いたけど、自分はこの『E.C. WAS HERE』というライヴ盤が大好きで、数あるクラプトン・ライヴの中でも最高傑作だと思っている。時期的にはアル中状態でヘロヘロになっているタイミングだが、実際はホロ酔いで気持ち良さそうに弾きまくるショウもあったのだろう。74年7月のカリフォルニアはロング・ビーチ・アリーナ公演を中心に、同年12月のロンドン公演、75年6月のニューヨーク州ナッソー・コロシアムでのライヴなど、数カ所のライヴからイイ状態のパフォーマンスを丁寧に選んでいる。オリジナル盤はわずか6曲の収録だったが、この拡大版はディスク2枚を使っての全16曲。

とにかく、クラプトン自身のソロがエネルギッシュで、流れるようなフレーズを連発。デレク&ザ・ドミノスでも有名な<Have You Ever Loved A Woman>ではセカンド・ギターのジョージ・テリーと熱く掛け合い、ブラインド・フェイス時代の<Presence Of The Lord>ではコーラスのイヴォンヌ・エリマンと濃厚デュエット。どちらもテンポをグッと落として、ジワジワと攻め上げる。また<Driftin' Blue>は、オリジナル・アナログは3分半程度でフェード・アウトしていたが、CD化の際に<Rambling On My Mind>とのメドレーになった11分越えヴァージョンに拡張。それが今回は、74年12月のロンドン・ハマースミス・オデオン公演から4日の<Ramblin’ On My Mind / Have You Ever Loved A Woman>、5日の<The Sky Is Crying / Have You Ever Loved A Woman / Ramblin’ On My Mind>、75年6月の米プロヴィデンスで<Driftin’ Blues>と、異なるメドレー/単独でのパフォーマンスを収録している。中には96年に組まれたボックス『CROSSROAD 2 (Live In The Seventies) 』で既発のトラックもあるが、一気にまとめて聴けるのは嬉しい。

加えて、<Crossroads><I Shot The Sheriff><Layla><Little Wing><Badge>と、あえて収録しなかったライヴ定番代表曲を盛りモリで。このうち4曲はこの『GIVE ME STRENGTH』が初登場のライヴ音源だった。ギターは往年の愛機ブラッキー(黒のストラト)と、試作機と言われクラプトンが使って有名になった斬新なデザインのギブソン・エキスプローラー。『E.C.WAS HERE』というタイトルに込められているように、ここでのクラプトンを知ってしまうと、これ以降のライヴは逆にヌルく感じてしまう。レイド・バック期とはいえ、逆に酔った勢いでギターを凶器に変化(へんげ)させたステージもあったのだな。

なお『GIVE ME STRENGTH』には、2CDと5CD+Blu-rayの2タイプあるので要注意。