fuchigami_agua

先日カエターノ・ヴェローゾのニュー・アルバムを聴いていて、ふと思い出した一枚。昨年6月と10月にリイシューされたビクター【マスターピース・コレクション〜CITY POP名作選】から。この『AGUA』は91年に出た彼のデビュー・アルバムで、この後立て続けに『VERDE』『CARINO』と3枚のアルバムを出している。元々ジェイ・グレイドンをアイドルにするギタリスト志望のヒトで、アレンジの勉強をしているうちにイヴァン・リンスやジャヴァンにハマり、AOR × ブラジルという音楽性を発揮するようになったらしい。

lightmellowbu(http://lightmellowbu.blog.fc2.com)の世代的には発掘〜再評価の対象なんだろうけど、カナザワは当然オンタイム。小野リサが89年末にデビューして、ブラジリアンなポップスが伸長してきた時期である。それで当時しがない会社勤めだった自分は、“ハヤリ物かな?”とあまり重要視せず、ひとまずレンタルCDで録音して済ませた記憶が… まぁ、アルバム3枚目で表舞台から消えてしまったので、成功したとは言い難いけど、現在もレコーディングやライヴのバック・コーラス要員として地道に活動を続けている。やはりそれだけの実力派だったのだ。最近のシティ・ポップもそうだけれど、ブームに乗って出てくるニュー・カマーは玉石混交、半ば無理やり路線変更して出てくるケースもあるので、見極めが難しい。

でもこの人は、単にシンガー・ソングライターというだけでなく、10曲中6曲を自らアレンジ。イヴァン・リンスのカヴァーも取り上げている。『AGUA』というアルバム・タイトルは、マンハッタン・トランスファー『BRASIL』(87年)の収録曲から。残り4曲は故・佐藤博がアレンジを担当。そこにはアレックス・アクーニャ(ds,perc)、今剛(g)、国分友里恵&秋元薫(cho)らが参加している。佐藤・自分のアレンジ、どちらも基本的に打ち込みによるサウンドメイクだが、それは「日本に一緒にやってみたいと思える人がいなかったから」と、かなりの大風呂敷。「リゾート・ミュージックとして聴いてもらってもイイですけど、湘南の海は似合わない」とも言っている。

自分に言わせれば、都会に帰ることが前提のウィークエンド・プチ・リゾート。もしくは夏休みとかのショート・バカンス。湘南が合わないのは当然だけど、ブラジルまで行けないとしても、ハワイやグアム、沖縄あたりならアリでしょう。