pat benatar_precious time

ユニバーサルの廉価企画【入手困難盤復活!! HR/HM1000 VOL4 北米編】で、女性ロック・シンガーのアイコン的存在のひとりだったパット・ベネターの作品群が、8枚まとめて安価再発。 数年前に紙ジャケ復刻されて現時点でも入手可能な最初の2枚『IN THE HEAT OF THE NIGHT(真夜中の恋人達)』(79年)、『CRIMES OF PASSION(危険な恋人)』(80年)を除くクリサリス期が、まとめて出るのは快挙と言っていいだろう。

この『PRECIOUS TIME』はパットの3枚目。ヒットしたのは<Fire And Ice>(全米17位)と<Promises In The Dark>(同38位)の2曲。プロデュースは前作から引き続きのキース・オルセンと、後に夫となるギタリストのニール・ジェラルドで、次作『GET NERVOUS』からニールの単独 or エンジニアとの共同プロデュースが続くことになる。言い換えれば、パットの意見がそれだけダイレクトに反映されるようになっているはず。ニールも2人の将来を見据え、キース・オルセンに教えを乞うようなカタチで共同制作に当たったに違いない。

パットとジェラルドが多くの曲を書いていると思われがちだが、実際は外部ライターの作品や著名ライターとの共作が多数。<Fire And Ice>はトム・ケリーとの共作だし、タイトル曲<Precious Time>はビリー・ステインバーグの提供。つまりI -Tenの2人が、別々に楽曲提供していたワケである。<Take It Any Way You Want It>はニールとマーティン・ブライリーの作。<Hard To Believe>はニールとバンドのドラマー:マイロン・グロムバッチャーが書いているが、このドラマーは元デリンジャーで、ヴィニー・アピス(カーカイン・アピスの弟)の後任を務めた人。カヴァー曲は言わずと知れたビートルズ<Helter Sklter>と、ポール・リヴィア&ザ・ライダーズ<Just Like Me>。

とにかく日本では最初のヒット<Heartbreaker>の印象が鮮烈だったせいか、まずは初期2枚がフックアップされがち。でも個人的にはシンプルでポップなアメリカン・ロックに徹していたその頃より、少し音楽性を広げて凝ったことをやり出した3〜5作目をよく聴いていた覚えが。同じ学生サークルにもコピー・バンドがいたしな。

パットの場合、80年代末からジンワリ人気が落ち始め、90年代の作品はほとんど振り返られる機会がなかった。でもこの再発は、91年作『TRUE LOVE』、93年作『GRAVITY'S RAINBOW』まで出るので要チェック。自分もサスガにこの時期までは押さえてないわ〜。オリジナル新作は、もう20年近く途絶えたままだけど、今も夫婦随伴、手を取り合って定期的にライヴを行なっている様子。こういう人たち、何か応援したくなるなぁ〜。

廉価企画【入手困難盤復活!! HR/HM1000 VOL4 北米編】シリーズ全貌は以下で。
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