lew kirton_jsut arrivedlew kirton-talk-to-me-01

80年代初頭のアーバン・ソウル・シーンを彩った名シンガー:ルー・カートンの訃報が。詳細は不明ながら、1月22日までに亡くなったらしい。享年73歳と見られる。西インド諸島バルバドス生まれで、カナダ経由でニューヨークに。サム&デイヴに認められてツアー・ドラマーに抜擢された後。72年、伝説的ヴォーカル・グループ:インヴィテーションズに参加、というのが枕詞ながら、このグループでは数枚のシングルを出しただけで終わっている。80年にマイアミT.K.傘下のアルストンから初ソロ『JUST ARRIVED』 を発表。ソウル・ファンから熱い注目を浴びた。

でもキラキラした80'sサウンドが好きなら、迷わずこの83年の2作目『TALK TO ME』を。当時のルーサー・ヴァンドロスとカシーフの中間点にいるようなサウンド・メイクで、全編生演奏なのに、シンセの音やリバーブの掛け具合がちょっぴりデジタルっぽい感触で、落ち着きや安心感、新鮮さと先行感が一緒に押し寄せてきた名盤だった。もちろん、適度に荒くれるルーのバリトン・ヴォイスの破壊力たるや…

そのサウンドのキー・パーソンは、おそらくキーボードのバリー・イーストモンドだろう。リズム・アレンジのクレジットはないが、ホーンとストリングスはバリー。後に超売れっ子のサウンド・クリエイターになるが、当時はまだニューヨークの新鋭中の新鋭で、メルバ・ムーアやイヴリン・キング、チェンジとか、後年のハッシュ・プロダクション周辺にしか掛変わっていなかった。この人がカシーフみたいに歌えてたら、カシーフよりもソロで成功してたかも。

そのほか、アンリミテッド・タッチ絡みとか、ウィル・ダウニングとか、トウェニィナインで歌っていたスキップ・アンダーソンとか、とにかくバックが強力。出したのが新興インディのBelieve In A Dreamなるレーベルで、プロデュースのラッセル・ティモンズもこの時点でレディングスぐらいしか実績がない。元々はエピックのスタッフだったらしく、ディストリビュートはUSコロムビアのラインだったけど、まぁ、インディで作れるレヴェルの内容ではないなぁ。それくらいシッカリと作り込んである。…というコトは、やっぱりルーのヴォーカルの磁場の強さに、みんなルーサー級の成功を期待したのだろうな。

でも悲しいコトに、彼の後続作品は、ゼロ年代の2作のみで、いと悲し。
Rest in Peace...