tears for fears_seeds

ちょいとワケありで、ティアーズ・フォー・フィアーズ。ニュー・アルバム『THE TIPPING POINT』を出したばかりで、当ブログでもコチラで紹介しているけれど、今回は敢えて89年リリースの3rdアルバム『THE SEEDS OF LOVE』。一般的には<Everybody Wants To Rule The World(ルール・ザ・ワールド)>や<Shout(シャウト)>を英米で大ヒットさせたということで、英米アルバム・チャート首位を獲得した2nd『SONGS FROM THE BIG CHAIR(シャウト))』の方が有名な気がするが、最高傑作と言うにふさわしいのは、やはりコチラだろう。

全英5位/全米2位と再びチャートを賑わせた<Sowing The Seeds Of Love>を初めて聴いた時は、中期ビートルズを髣髴させるサイケデリックなサウンドに、たいそう驚いたもの。さらにアルバムを聴いて、“これがあのティアーズ・フォー・フィアーズ?” と思った。ジャケにはローランド・オーザバルとカート・スミスの2人しか写ってなくても、実際は4人編成のバンド。それでも第2次ブリティッシュ・インヴェンジョンの流れを汲むニュー・ウェイヴ系アーティスト、というのが彼らのイメージだった。でも<Sowing The Seeds Of Love>を含むこのアルバムは、もっと彼らのルーツに近づいたような、生のバンド・サウンド。

実際の参加メンバーにも、フィル・コリンズ/マヌ・カッチェ(ds)、ピノ・パラディーノ(b)、ロビー・マッキントッシュ(g)らが名を連ね…。<Sowing The Seeds Of Love>には、元メンバーのイアン・スタンリーも参加している。が、注意すべきは、このアルバムを足掛かりにソロ・デビューに繋げていったオリータ・アダムスとニッキー・ホランドかな?

<Sowing The Seeds Of Love>のヒットに続いてのチャート・インは、全米36位の<Woman In Chains>と、同89位の<Advice For The Young At Heart>。でも久しぶりに聴いたら、後者は自分がアルバムを聴いていたイメージ以上にメチャクチャ耳馴染みがあって…。これ、もしかしてどこかでCDとかに使われてましたかね?