fujimal_3

この8月にプロ・デビュー50周年のアニヴァーサリー・ライヴが控えている芳野藤丸の、タワーレコード限定復刻シリーズ、今回の登場は、現在は入手困難盤となっている07年発表の3rdソロ『LONELY MAN IN A BAD CITY』。AB'Sの05年公演からにライヴ・トラックを1曲ボーナス収録し、ジャケのカラーリングも微妙に変えて(赤→ショッキング・ピンク)の、最新リマスター/UHQ-CD高音質盤仕様のリイシューだ。

それまでのソロ作品やSHOGUN〜AB'S では、単なるギタリストではなく、藤丸さんのダンディなヴォーカルも大きな魅力になってきたが、これはギター・プレイにスポットを当てたギター・インストゥルメンタル中心のアルバム。収録曲すべてが藤丸作・プロデュースで、ヴォーカル曲は<Girl’s In Love With Me>と<One On One>(2バージョン収録)のセルフ・リメイク。ほとんどが打ち込みのワンマン・レコーディングで、4曲のみkyd奏者:小島良喜を迎えてのプロダクツになっている。

もちろん藤丸ファンの自分は、オンタイムでコレを聴いた。でも正直なところ、打ち込みの音がカチカチであまり好きになれず…。藤丸さんに対しては、リードよりグルーヴ感抜群のカッティングに魅力を感じていたので、こうしたギター・アルバムは興味深かったのだが、プレイ内容やバジェットはともかく、インストでも生演奏中心ならば、もっとイイものが作れるはずなのに…、と思っていた。MOONでのソロ2枚は、マジ名盤だからね。

でもそのオリジナル・リリース時の印象は、リマスター効果なのか、かなり改善。同じクリックの音でもエッヂが丸くなり、耳に馴染みやすくなった。ミディアム系の楽曲はスムーズ・ジャズ・テイストになるだけど、歌うようなメロディやギターの細やかな表情は、サスガの出来栄え。やはり当時は期待が高まりすぎていたかもしれない。今はアナザー・サイド・オブ・芳野藤丸として、気楽に楽しみたいアルバムだと思える。

お求めは以下から。
https://tower.jp/item/5438832/ロンリー・マン・イン・ア・バッド・シティ(+1)<タワーレコード限定>