patrick adamsnarada_awakening ☆ Patrick Adams
mj_damgerousbernard belle ☆ Bernard Belle
REGGIE ANDREWSdazz band_let it whip ☆ Reggie Andrews

ここ1〜2日、黒人系の裏方ミュージシャンの訃報が相次いで。パトリック・アダムス、バーナード・ベル、そしてレジー・アンドリュース。普通の音楽ファンだと「誰それ?」になってしまうだろうけど、きっとその音や楽曲は、多く人が知らず知らずのうちに耳にしているはずだ。

一番早く6月22日に訃報が飛び込んできたのは、数々の名ディスコ・チューンを生み出してきた “ゴッドファザー・オブ・ディスコ” と呼ばれる伝説的プロデューサー/作編曲家パトリック・アダムス。ニューヨーク出身で、R&Bバンドでの活動を経て、70年に地元パーセプション/トゥデイ・レーベルのスタッフに。その後自分の制作会社を立ち上げ、70年代半ばからディスコ・サウンドに傾倒。サルソウルやプレリュードといったレーベルで、ブラック・アイヴォリーやインナー・サークル、ロリータ・ハロウェイ、ジョセリン・ブラウン、ミュジーク、フリークなど、数々のヒットをブチ上げた。アダムスに多大な影響を受けたナイル・ロジャースは、「ダンス・フロアを盛り上げる達人。真のミュージック・マシーン」と彼を激賞。プロデューサーとして大成したナラダ・マイケル・ウォルデンも、ジャズ・ドラマーからの転向直後の『AWAKENING』(79年)にアダムスを共同プロデューサーとして起用。初のR&Bトップ10ヒットを出し、成功の礎にしている。自分が彼の名を意識したのも、多分コレが最初だったかと。ここしばらくはガンを患っていたそうだ。享年72歳。

23日に届いたのは、プロデューサー/作編曲家/ミュージシャンのバーナード・ベル。R&Bシンガー:レジーナ・ベルの弟で、ニュー・ジャック・スウィングの立役者テディ・ライリーの右腕として頭角を現した。ホイットニー・ヒューストン、ボビー・ブラウン、パティ・ラベル、キース・スウェット、アル・B・シュア、ワイナンズなどに楽曲提供。マイケル・ジャクソン『DANGEROUS』(91年)では、マイコーのパートナーとなったテディ・ライリーと共に曲作りに参加し、<Remember The Time>や<Why You Wanna Trip On Me>を共作した。近年はゴスペルに軸足を移していたが、数年前に脳梗塞で倒れ、最近はその後遺症に悩まされていたらしい。享年57歳。

そしてキーボード奏者/ソングライターで、パトリース・ラッシェンやシンガー:タイリースのメンターとして知られるレジー・アンドリュースが、23日に急死。69年にReggie Andrews And The Fellowshipとして実質的初リーダー作を発表。70年代中盤はホーンを擁したジャズ・ファンク系7人組カーマ(アーニー・ワッツやジョージ・ボハノン、オスカー・ブラッシャーらが在籍)を率いた。その後、弟分ンドゥグ・レオン・チャンクラーと共にダズ・バンド『LET IT WHIP』(82年)をプロデュース。大成功に導いている。

3人それぞれに、Rest in Peace...