aaron frazer

7月の来日公演が大評判を呼んでいる“新世代ヴィンテージ・ソウル・ミュージックの大本命”、ドラン・ジョーンズ&ジ・インディケーションズ。自分は仕事の状況が読めずに足を運べなかったが、その評判にちょっと後悔していた。そこでグループのドラマーにしてセカンド・シンガー、メイン・ソングライター、つまり彼らの頭脳であるアーロン・フレイザーの初ソロ・アルバム『INTRODUCING...』を。リリースされたのは昨年2月で、早耳の人にはとうに聴いていたと思うが、自分もライヴの評判を聞いて聴き直し、「アレ!? こんなに良かったっけ?」なんて。やっぱりシルク・ソニックの大ブレイクがあったりして、感覚がヴィンテージ・ソウル寄りになっている部分がありそうだ。

このルックスからして、60~70年代しているけれど、この人の歌声はホントにタイムレス。ちょっとスモーキー・ロビンソンを思わせるような か細いファルセット・ヴォイスが特徴で、しかもアルバム一枚ひたすらソレで歌い倒す。自分の個性を追求していくうちに このサウンドに行き着いたのか、こうしたオールド・スクールなソウル・サウンドを聴き混んで行く中で、自ずとこのヴォーカル・スタイルが生まれたのか、おそらくその両方なのだろうが、自分のやり方をトコトン、迷いなく押し通している潔さがある。

楽曲自体は、どこかで聞いたコトがあるような空耳的ナンバーばかりだが、そこに難癖つけるのではなく、「あぁ、大好きなんだね」ともあたたかく接していくのが正解なんだろうな。

プロデュースはブラック・キーズのダン・オーバック。サザン・ソウル的なディープ・ソウルの感覚に、オルタナティヴなアティチュードが垣間見えるのは、きっとオーバックのセンスから。楽曲が用意できた後は、ナッシュヴィルにあるオーバックのスタジオで、ほぼ1週間でレコーディングされたという。そのロー・ファイな感覚もまた、このアルバムを、いま現在の最新アイテムらしく仕上げた要因のひとつだろうな。