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巨星落つ。インパルスやCTIといったジャズ・レーベルの創始者で、ヴァーヴでも活躍した敏腕プロデューサー:クリード・テイラーが、8月23日朝、逝去した。ボサノヴァを米国に紹介した立役者でもある。享年93歳。死因は現時点では明らかにされていない。

クリード・テイラーは1929年、ヴァージニア生まれ。50年代にABCパラマウントのレーベル・プロデューサーとしてランバート・ヘンドリックス&ロスを手掛けるなど頭角を現し、1960年には社内ジャズ専門レーベルとしてインパルス!を設立。ジョン・コルトレーンと契約を交わした。ところが翌61年にはヴァーヴへ移籍。63年には、かの『GETZ / GILBERTO feat. ANTONIO CARLOS JOBIN』を制作して、ボサノヴァを世に広めている。更に67年にA&M傘下にCTI レーベル(Creed Taylor Issue)を発足させると、ウェス・モンゴメリーやハービー・マン、クインシー・ジョーンズ、ジョージ・ベンソンらとコラボレイトし、ジャズのイージー・リズニング化を推進。70年に独立すると、正式名称を "Creed Taylor Incorporated" に変更し、多くのクロスオーヴァー・アルバムをリリース。74年には傍系レーベルとしてソウル・ジャズ中心のKUDU(クドゥ)をスタートさせた。

自分世代の音楽ファンだと、このCTI / KUDU 時代のクリード・テイラーに一番馴染みがあるはず。先に挙げた他にも、ヒューバート・ロウズ、フレディ・ハバード、ジョー・ファレル、スタンリー・タレンタイン、デオダート、ボブ・ジェイムス、グローヴァー・ワシントンJr、エスター・フィリップス、パティ・オースティン、アイアート、ジョー・ベック、シーウインドなんてあたりがすぐに思い浮かぶ。80年代に入ってすぐのフューズ・ワンが、最後の打ち上げ花火だったかな。

そうした意味では、ジャズの大衆化とハイブリッド化を推進した立役者。この人がいなかったら、今のフュージョン・シーンは多少なりともカタチの違うモノになっていたかもしれない。クインシーもベンソンもボブ・ジェイムスも、テイラーと袂を分かってから商業的成功を収めたが、その下地を築いたのがこの人。売れるモノを作って稼ぐより、何か新しいコトを創造するのが好きな、パイオニア精神の持ち主だったのだろうな。

Rest in Peace...