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62歳になりました…
SNSやメッセンジャーでホントに多くのバースデイ・メッセージをいただき、感謝感激 数が多すぎて、ひとつひとつにはレスできなくて申し訳ありませんが、お気持ち大変ありがたく受け止めております。これからも、皆様に有益な音楽情報をご提供していくべしと、思いを新たにしております。

タイミングよく、1週間後には、お待たせしていた『AOR Light Mellow Premium 02 〜Golden Era 1976-1983』も店頭に。自分のところには既に見本誌が届きましたが、助手というか後継者というか、の福田直木クンの頑張りもあって、なかなかイイ仕上がりになりました。Premium 01から1年で出す予定が丸2年、ダテに時間はかかっておりませんッ! amazonでは15ページほどサンプル画像が上がっているの で、ご参考に。

ちなみの今回の"Golden Era 1976-1983" は、必ずしも発売時期で切っているのではなく、その作品が認知された時期が掲載軸。つまり、AORが再評価されるようになって発掘されたり存在が明らかになったようなアルバム、例えばジェイ・P・モーガンとかアーチー・ジェイムス・キャヴァナーみたいなアイテムは、今回は敢えて掲載していない。何故なら、この76〜83年当時、ジェイ・P・モーガンとかアーチー・ジェイムス・キャヴァナーなんて知っている人は、日本にはまったくいなかった。だからそれを影響力の大きかったAOR定番と並べて語るのは、ちょっと違うんじゃないか、と。自分はサウンドだけでなく、AORが持て囃された社会背景や文化的潮流、音楽シーンの動きなど、そうした周辺事情を引っ括めて皆さんにお届けしたい。こんなテンション・コードを使ってる、難しいシンコペーションを取り入れてる、だからスゴイ、ではない。そういう素養は何処から来るのか、どうして取り入れられたのか、アーティストたちはそれを使って何を表現したいのか。ハイブリッドな音楽のカタチであるAORは、その上にこそ存在する。

こうして遅れて再評価されたアイテムは、自ずとDJ諸氏が発掘したレア・グルーヴ/フリーソウル系のインディー盤や自主制作モノが中心。そのあたりはAORリヴィジテッド対象として、次号Premium 03に集成予定だ。そのため02は、ディレッタントが群がるような激レア盤の類いは、ほとんど掲載していない。逆に、マイナーだけどコッソリ国内盤が出ていたり、音専誌やカルチャー誌の音楽コラム、あるいは当時から直輸入レコードショップで静かにベストセラーになっていたようなアイテムを、分かる限り積極的に掲載した。マニアを「こんなの知らない!」と驚かせるのではなく、「エッ、コレって日本盤があったの」と不意打ちでも喰わせられれば、してやったりだ

と同時に、「コレってAORなの?」と思うような意外なタマも多いと思う。1999年の『AOR Light Mellow』初版本が出る前は、デイヴ・メイスンもボブ・ウェルチもベン・シドランもクリス・レインボーも、ほとんどAOR扱いされてはいなかった。TOTO系ファンには、ビリー・ジョエルでさえ敬遠されていた。そうした新しい斬り口を提示し、ブルー・アイド・ソウル系とAORの架け橋になったことが、『AOR Light Mellow』はベストセラーの秘訣のひとつ。このPremiumシリースは、そのカテゴライズを更に押し広げている。でも間口を広げつつ、ある一定基準から先はバッサリ。その匙加減も、是非と手にとってご確認いただきたい。

"Golden Era 1976-1983" と謳いながら、ボズ・スキャッグス、ボビー・コールドウェル、TOTO、スティーリー・ダン、ドゥービー・ブラザーズも、そしてクリストファー・クロアスやマイケル・フランクスも出てこないが、そういう方には Premium 01 も併せてお手元に置いていただき、ご自身のAORの世界WO広げて戴きたい。