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カナザワがサポートし、制作にも関与している今井優子、4年ぶりのニュー・アルバム『SPELL OF LOVE』が、いよいよ来週28日にオンセール。発売日が迫ってきたので、ここでも概要を紹介しておきたい。で、いろいろ書くより、メディアやリテイラー向けの案内に掲載された、この拙コメントを転載(ちょい長いです…)

今井優子が約4年ぶりのニュー・アルバム『SPELL OF LOVE』を発表した。その間に音楽シーンでは、降って湧いたようなシティポップ・ブームが到来。彼女の以前のカタログも、角松敏生プロデュース『DO AWAY』がCD及びアナログ・レコードで復刻されたり、2016年発売のベスト盤『SWEETEST VOICE』の新録曲「真夜中のドア〜Stay with Me」のカヴァーがアナログ盤でシングル・カットされり…。松原みきのこの曲は、ご存知のように世界的なシティポップ再評価のキッカケとして、2020年暮れにサブスクリプションのバイナル・チャートで世界No.1についた。それを彼女は4年も早く、オリジナルに忠実な形でリメイクしていた。当人がまったく意図しないところで、いつの間にかシティ・ポップ系歌姫の一人に数えられるようになった点に、現在の今井優子の立ち位置の面白さがある。

ニュー・アルバム『SPELL OF LOVE』のテーマは、今ドキの恋愛事情。あるコラムに、最近は恋愛に対する男女の捉え方の違いが大きくなって、恋愛への興味が薄れたり、友達優先、気を使うのが面倒…、と考える人が増えている、と書かれていた。日々の忙しさから気持ちに余裕がなくなり、相手を思いやる心、信頼を深める気持ちを忘れ、些細なことからスレ違いや喧嘩が起きてしまう。
“Love Spell(恋の呪文)”と見出しがついたこのコラムに引き寄せられた彼女の中で、みるみるイメージが広がり、新しい曲のコンセプトが湧き上がった。
「大好きな恋人との恋愛を長続きさせるには、どうしたらいいの?」

音楽的には、今井優子の2つのフェイズがフィーチャーされている。ひとつはこれまでの延長にある、ラテン・テイストをベースにしたクロスオーヴァー・ポップ路線。ここでは前作『It's My Time To Shine』でサウンド・プロデュース&アレンジを担った安部潤と再びコラボレイトし、彼女が自ら書き下ろしたリード・トラック「Spell of Love」、目まぐるしくアレンジが展開する「Heart Forcast〜予感〜」、そして敬愛する中原めいこのカヴァー「FANTASY」などで、クリエイティヴィティを炸裂させる。対して、今までなかった新機軸の音作りにトライすべく、近年の出逢いから若いソングライターや敏腕ミュージシャンをキャスティング。ジャンクフジヤマのブレーンを務める若手シンガー・ソングライター:神谷樹が提供した「Drive In Blue」、新進ギタリストYUMA HARAの書き下ろし「Blackcat Rendezvous」、FLYING KIDSのkyd奏者SWING-Oが書いたスムーズなバラード「Seawind〜潮風の記憶〜」がそれに当たる。また鈴木雅之や香取慎吾のバックで大活躍するシンガー:DAISUKEが、大胆かつ緻密なコーラスを聴かせるのも新境地。そして高速サンバ「La brisa」では、当人が可憐なスキャット・ヴォーカルを披露する。

さらにボーナス・トラックとして、2020年にyuko-I.名義でアナログ発売した「It's My Time To Shine」のリミックス、これまでMVでしか聴けなかった「真夜中のドア〜Stay with Me」の別ミックスを追加収録。これは共に、世界を股にかけて活躍するディスコ・ミュージック・クリエイター:T-Grooveワークス。

でもこれだけバラエティに富んだ楽曲群を、無理なくしなやかにまとめ上げているのは、今井優子のフレキシブルで表現力豊かなヴォーカル・パフォーマンスに他ならない。伸びやかな歌声は以前から評価が高かったが、今作ではそこにヴァリエーションの広さが加わった。2022年でデビュー35周年を迎えたが、そのルックスと歌声は、キャリアの長さを一切感じさせない。それどころか、たまたま訪れたシティポップ・ブームにも軽やかに適応し、追い風に乗ってフレッシュさをキープする。その魅力がたっぷり詰まった、まさに呪文を掛けられたような、マジカルなニュー・アルバムがココに完成した。

「あなたは自分の大切な人に、どんな恋の呪文を唱えますか?」



シティポップの大ブームで、それを看板に掲げるシンガーが急増している昨今。しかし出てくる作品の多くが、ベッドルーム・ミュージックよろしく、コンピュターを駆使してのプログラム・サウンドで構築されている。その中で、生演奏を中心にこれだけ作り込まれたアルバムは、ビッグ・ネームを除けば、そう多くはないはず。それこそ大きなスタジオにメンバーが集まって、せーの でリズム録りした曲もいくつか。しかもコーラス・ワークが凝っている曲が多くて、「ライヴはどーすんだヨ」なんて嬉しい心配事が発生しているトラックもある。そのあたり、下に貼り付けたトレーラー画像で、是非ご視聴ください。

今井優子は今週末25日(日)に開催される拙監修『LIVE Light Mellow Vol.5』にも出演予定。ニュー・アルバムから新曲を披露してくれるほか、即売コーナーではCDフラゲ(先着でサイン付き)も予定されています。