

ハイブリッドなエレクトロ・ブリット・ポップのパイオニア、ラー・バンド(RAH BAND)のCD5枚組ボックス。78年〜80年代中盤までにオリジナル・アルバム4枚をリリース。そのうちインディ・リリースの初期3作と、その時期のシングルやリミックス、未発表ヴァージョンなどを5枚のディスクに集成した箱モノだ。オリジナル・アルバムはすべてCD化済みながら、シングルや12インチ音源には初デジタル化が少なくない。
ラー・バンドの"RAH"は、首謀者リチャード・アンソニー・ヒューソンのイニシャル。ヒューソンにはピーター&ゴードンのピーター・アッシャーとトリオを組んでいた時期があり、ピーターの妹で女優のジェーン・アッシャーを通じて、彼女の当時の婚約者ポール・マッカートニーの知己を得た。そんな流れからメアリー・ホプキンや、ピーターがアップルからデビューさせたジェイムス・テイラーにアレンジャーとして関与。ビートルズ『LET IT BE』でストリングス・アレンジを担当したり、ポールのソロ2作目『RAM』の覆面オーケストラ・ヴァージョン『THRILLINTON(スリリントン)』でアレンジ&コンダクトを任された。その他にもビー・ジーズ、フリートウッド・マック、アル・スチュワート、スーパートランプ、パイロット、アート・ガーファンクル、クリフ・リチャード、ダイアナ・ロス、オリヴィア・ニュートン・ジョン、クリス・レアなど、多くのアーティストにアレンジで関わっている。
一方70年代中盤になると、自身のリーダー:プロジェクト:リチャード・ヒューソン・オーケストラを立ち上げ、ディスコ寄りのシングルを複数リリース。それがRAH BANDへ進化していった。その最初が77年に全英6位を記録した<The Crunch>。このヒットを受け、翌78年にはラー・バンド名義の初アルバム『THE CRUNCH & BEYOND』をリリース。これはサブカル色がジンワリ滲むエレクトリック・ポップ・ディスコ・アルバムで、完全アナログなローファイ・サウンドが特徴的。リチャード自身の多重録音が基本で全編インストだが、生ドラムやサックスにはスタジオ・ミュージシャンを起用している。それが2枚目の『RAH』(81年)になると、一気にジャズ・ファンク・テイストに。当時の英国ではシャカタクやレヴェル42あたりが注目されていたので、それを意識したそうだ。<I.O.U.?>をヒットさせるFREEEZも、デビュー直後はスラップがビジバシの激烈ジャズ・ファンクだった。
そして83年作『GOING UP』で、リチャードの奥様が歌うヴォーカル曲を初収録。<Messages From The Stars>や<Perfume Garden>がヒットした。まだ生楽器を使っているが、打ち込み度は格段に上がって、エレクトロ・ポップ色が濃厚に。それがアーリー80's特有のキラキラ感と、チープなのに妙に心地良いグルーヴ、奥行きや隙間のあるエアリーなスペイシー感が相まって、フロア・ユースのシンセ系ダンス・ポップのアイコンとして親しまれてきた。その当時は先鋭的なイメージだったけれど、近年は80'sブギー人気の中で再評価され、ダフト・パンクやタキシードのサウンドにも彼らの影響がシッカリ根付いている。昨今の宅録系シティポップ勢ユニットが参考にしているのも、まさにこの音だ。
更にディスク4は、『GOING UP』収録曲の別ミックスを12曲、ディスク5には『GOING UP』から次作『MYSTERY』でメジャー移籍する以前のシングル曲や未発表曲など14曲を集成している。英RCA期の音源を集めたVol.2が今から楽しみ。
一方70年代中盤になると、自身のリーダー:プロジェクト:リチャード・ヒューソン・オーケストラを立ち上げ、ディスコ寄りのシングルを複数リリース。それがRAH BANDへ進化していった。その最初が77年に全英6位を記録した<The Crunch>。このヒットを受け、翌78年にはラー・バンド名義の初アルバム『THE CRUNCH & BEYOND』をリリース。これはサブカル色がジンワリ滲むエレクトリック・ポップ・ディスコ・アルバムで、完全アナログなローファイ・サウンドが特徴的。リチャード自身の多重録音が基本で全編インストだが、生ドラムやサックスにはスタジオ・ミュージシャンを起用している。それが2枚目の『RAH』(81年)になると、一気にジャズ・ファンク・テイストに。当時の英国ではシャカタクやレヴェル42あたりが注目されていたので、それを意識したそうだ。<I.O.U.?>をヒットさせるFREEEZも、デビュー直後はスラップがビジバシの激烈ジャズ・ファンクだった。
そして83年作『GOING UP』で、リチャードの奥様が歌うヴォーカル曲を初収録。<Messages From The Stars>や<Perfume Garden>がヒットした。まだ生楽器を使っているが、打ち込み度は格段に上がって、エレクトロ・ポップ色が濃厚に。それがアーリー80's特有のキラキラ感と、チープなのに妙に心地良いグルーヴ、奥行きや隙間のあるエアリーなスペイシー感が相まって、フロア・ユースのシンセ系ダンス・ポップのアイコンとして親しまれてきた。その当時は先鋭的なイメージだったけれど、近年は80'sブギー人気の中で再評価され、ダフト・パンクやタキシードのサウンドにも彼らの影響がシッカリ根付いている。昨今の宅録系シティポップ勢ユニットが参考にしているのも、まさにこの音だ。
更にディスク4は、『GOING UP』収録曲の別ミックスを12曲、ディスク5には『GOING UP』から次作『MYSTERY』でメジャー移籍する以前のシングル曲や未発表曲など14曲を集成している。英RCA期の音源を集めたVol.2が今から楽しみ。
Rah Bandについては、リリースされたものは全て持っていますが、このオムニバスは見送っています。Vol.2も出る予定があるのですね。
個人的にはSwing Out Sistersのオムニバスが素晴らしくてVol.2を楽しみにしています。