santana_buddy miles

傍若無人なライヴ名作のクアドラフォニックSQ盤が、発売50周年を記念し、世界初のSA-CDマルチ・ハイブリッド化。7インチ紙ジャケット仕様で、日本盤シングル・ジャケットやポスターを封入した豪華盤で蘇っている。サンタナのSA-CDマルチ・ハイブリッド・シリーズとしては、1st『SANTANA』『ABRAXAS(天の守護神)』『SANTANA III』に次ぐ4作目。

レコーディングされたのは、4thアルバム『CARAVANSARAI(キャラバンサライ)』制作中の71年大晦日、ハワイのダイアモンド・ヘッドで開催されたロック・フェス『THE SUNSHINE GREATER FESTIVAL』にて。メンバーはサンタナのレギュラー・グループではなく、カルロスとバディ・マイルス(ds.vo)をフィーチャーしたスペシャル編成。ニール・ショーン(g)、マイク・キャラベロ/コーク・エスコヴェード/ミンゴ・ルイス(perc)、グレッグ・エリコ(ds)、ルイス・ガスカ(tr)、ハドリー・カリマン(sax)というサンタナ界隈の面々に、マロのヴィクトル・パントーハ(perc)。ちょうど『SANTANA III』と『CARAVANSARAI』双方のメンバーが入り混じっているのが興味深い。しかも当日は機材トラブルなどがあったため、翌72年3〜4月に同じメンバーを招集し追加レコーディング。一説には、追加どころではなく、全面的に差し替えが行われ、スタジオ・ライヴに歓声や拍手がダビングされた、という話もある。

それでもカルロスがこのプロジェクトにこだわったのは、やはりバディ・マイルスとの共演だったからだろう。マイルスはジミ・ヘンドリックスのバンド・オブ・ジプシーズのメンバーだっただけでなく、エレクトリック・フラッグ時代にはマイク・ブルームフィールドと共演、マハヴィシュヌ・オーケストラ結成前のジョン・マクラフリンともプレイしている。カルロス的には、千載一遇の共演チャンスだったのだ。

レコードとして公開されたのは、スタジオ録音の擬似ライヴだったのかもしれない。が、火を吹くようなインタープレイは、このライヴ盤ならではの魅力だ。ダブル・ドラムに3パーカッション、ツイン・ギターにホーン・セクションという豪華編成で、グイグイ熱く迫ってくる。それがこのクアドラ・マルチch化で、臨場感大増量。賑やかな打楽器群の洪水に、耳が溺れてしまいそうだ。オリジナル盤では楽器のバランスの悪さなど編集が粗っぽく、そこがまたライヴ盤としての疾走感に繋がっている面があったが、このマルチ編集では修正されたのか、熱気の中にも流れはスムーズ。通常のCDとして聴いても、新たな発見がある。今月末には『CARAVANSARAI』のSA-CDマルチ・ハイブリッド・エディションも出るから、なんだかワクワクしてきたな。