clif magnes demo

チャールズ・ステップニーのデモ集をアップしたら、他にも紹介するつもりでポストしてなかったデモ集を複数発見。じゃあ忘れないうちに、というコトで、クリフ・マグネスの4枚組デモ集『ROAD TO GOLD 〜 Official Collection Of Lost Demos』をチョイスした。ジェイ・グレイドン、グレン・バラードと共にプラネット3を組み、日本ではCMにも使われた<I Don't Want To Say Goodnight>で知られる人だ。ハイトーンのヴォーカルが印象的で、メロディック・ロック寄りのソロ・アルバムも2枚出している。

が、元々はクインシー・ジョーンズに見出されてソングライター契約を結び、パティ・オースティンやジャック・ワグナーに楽曲提供/プロデュースで関わった実力派のマルチ・ミュージシャン。それ以前からクリフ・ニュートン名義でレス・デューデックのバンドに参加し、デラ・セダカやウィリアム・カットにも楽曲提供していた。80年代中盤以降はジョージ・ベンソン、デバージ、アル・ジャロウから、ジャーメイン・ジャクソン、バーブラ・ストライサンド、セリーヌ・ディオン、フリオ・イグレシアス、シーナ・イーストン、ケリー・クラークソンにアヴリル・ラヴィーン…と、曲提供の幅はかなり広い。

4枚のデモ集は、それぞれ年代順に分けられていて、AORファンが惹かれるのは、[1979~1983] に当たるディスク1。そこにはジャック・ワグナーに書いた<Make Me Believe It>やテディ・ペンダーグラスが取り上げた<Workin' It Back>が含まれ、グレン・バラードと初めて書いた楽曲群なども。クリフ自身による多重録音曲が中心だが、クインシーの出版絡みのデモ制作には予算が取れたのか、デヴィッド・フォスターやトム・キーン、デイヴィー&トミー・ファラガー、ティム・ピアース(g)、ローズマリー・バトラー(cho)、パット・マステロット(ds)らの名前も。ちなみにクインシーの出版オフィスにはデヴィッド・フォスターの妹ジェイムス(スニーカーの歌にもなったヒト)がいて、クリフの窓口を担当していたようだ。

[1984-1987] の音源を集めたディスク2は、よりアリーナ・ロック的なノリに。マーク・ゴールデンバーグらクリートンズ勢とコラボした<Top Of The Hill>はサントラに使用。グレン・バラードとの曲作りもペースが上がったようで、マイケル・ジャクソン『BAD』用に書いたものの使われなかったデモもいくつか。ランディ・グッドラムやエイドリアン・ガーヴィッツとの共作曲もある。<The Children>という曲は、スターシップが取り上げた。

ディスク3[1988-1995]、ディスク4[1996-2018] になると、もうAOR色は薄くて、おおよそ普通のポップ・ロック。ティナ・ターナーに書いた、マイケル・ボルトンに書いた、スティーヴィー・ニックス、ウィルソン・フィリップス、エアロスミスらに提供した…と、送り先は大物ばかり。でも採用率はあまり高くなかったようで、チープ・トリックのサントラ参加曲が目立つくらいだろうか。共作者にはキャロル・ベイヤー・セイガーやスティーヴ・キプナーのクレジットされていてソソられるが、やはり世の中、そうは甘くないようで…