babyface_girls night out

ベイビーフェイス、前作『RETURN OF THE TENDER LOVER』から実に7年ぶりとなるニュー・アルバム『GIRLS NIGHT OUT』を発表。これは元々昨年リリースが予定されていたものだが、完成が遅れて ようやくのリリースとなった。そもそも前作タイトルが、“童顔クンの帰還” を謳っていたので、こんなにブランクが長くなるとは思ってなかったし、その前々作がトニ・ブラクストンとのデュエット・アルバム。90年代までの目覚ましい活躍を思うと、早い話、最近はアイディア枯渇なんでしょうね? 

“女子会” と命名されたこの新作も、アイディア元は、公私に渡る現パートナー:リカ・ティッシェンドルフとされていて、彼女が共同プロデュース。その中身も、いま注目される若手女性シンガー/ラッパーたちを楽曲ごとにゲストに招くというオムニバス形式の作品で、シンガー・ソングライターのベイビーフェイスというより、プロデューサー目線で作られている。本人も「制作プロセスは、『WAITING TO EXHALE(ため息つかせて)』(サントラ盤・96年)を髣髴とさせるもの」と語っていて、若い女性アーティストたちの創作意欲を上手にすくい上げてアルバムにまとめた印象。思った以上に当人が歌う場面が少なくて、もはやベイビーフェイスの新作とするのも憚られるような…。

参加したのは、先行デジタル・リリースの<Keeps on Fallin’>のエラ・メイを筆頭に、ケラーニ、ティンク、アリ・レノックス、クイーン・ナイジャ、ココ・ジョーンズ、ティアナ・メイジャ、ベイビー・テイト、ムニ・ロング、アマーレイ、セヴン・ストリータード&ティーケイ・マイザ、ドエチ、アンジー・マルティネス&ララ・アンソニーなど。現行R&Bやヒップホップ・ソウルをしっかりフォローしている方なら、きっとワクワクものだろう。でもそこからすっかりリタイアしている自分には、ほとんど誰が誰やら…。アルバム一枚、メロウなミディアム〜スロウだけで通しているのはベイビーフェイスらしいところなれど、かつてのような美メロを聴かせるのではなく、サウンド・フォーマットは完全に今のヒップホップ・ソウルのスロウ・スタイル。童顔クンはホントにこれを演りたかったのか…? フェイス・クラシック<Can We Talk>(テヴィン・キャンベル)をベースにした<Keeps on Fallin’>を聴いていると、それをヒシと感じてしまう。

なので、ベイビーフェイスに何を期待するか、とか、現行ソウル〜R&Bシーンとの距離感次第で、大きく評価が割れそう。そういう意味では、01年の問題作『FACE 2 FACE』を思い出した。 『RETURN OF THE TENDER LOVER』がすきだっただけに、個人的感想としては、“ボクがキミに求めているのは、こういうんじゃないんだけど…” と。その先は、皆さんそれぞれに聴いて御判断くださいな。