
年内最後の入稿へ向け、吉川忠英の再発アルバム5本分のライナーを鋭意執筆中。出るのは2月なので、そちらの詳細は年が明けてからまた。忠英さんには先だってインタビューを行なったので、それを起こせば済むな〜、と楽観していたが、始めてみたら結構大変。多くの資料との整合性や微妙なタイムフローを確認したりで、かなりの時間を費やしている。でも忠英さんのハナシがメチャクチャ面白くて。それこそ、シティポップス史の生き字引、と言っても過言ではないほど。何せ、ミッチこと林立夫に新グループ結成に誘われ、それを断ってソロ活動を始めた御仁。その新バンドが、キャラメル・ママ〜ティン・パン・アレーになった。知ってる人は知ってると思うけど。
そんな忠英さんの話の中に登場したのが、この五輪真弓。世間的には、80年の大ヒット<恋人よ>なのだろうけど、シンガー・ソングライターとしての彼女が面白いのは、実は70年代。デビュー直後からキャロル・キングと共演したり、大村憲司・村上ポンタ秀一・高水健司がエントランスというバンドを組んでサポートに付いたりして、ユーミンか五輪まゆみか?という時代が確かにあった。
この『少女』は、72年に発表した五輪のデビュー・アルバム。内容的には、フォーキーなシンガー・ソングライター作品と言ってイイけれど、彼女の歌は、反戦など社会的メッセージを背景に持つフォークとも、吉田拓郎やかぐや姫のように大衆に歌いかけるフォークとも違っていた。よりパーソナルで、知的な香りが漂っていた。そして何より1作目にしてL.A.録音で、キャロル・キングやチャールズ・ラーキーと共演しちゃってる。それがスゴく印象的だった。
で、その五輪のL.A.行き、というか、エンジニア兼プロデューサーのジョン・フィッシュバックと、彼が采配を振るうクリスタル・サウンドというスタジオを「使ってみたら?」とオススメしたのが、他ならぬ忠英さんだったそう。正確には、ミューカル・ステーションというマネージメントに身柄を預ける者同士なのだけれど、忠英さんは“日本のイーグルス”なんて呼び声もあった幻のフォーク・グループ:イーストで、ひと足早くL.A.レコーディングを経験。クリスタル・サウンドで、ジョン・フィッシュバックによる録音を行ない、米キャピトルから全米デビューしていた。その実体験が、この五輪のデビュー盤に生かされていたのである。クリスタル・サウンドは、70年代のスティーヴィー・ワンダーが根城にしていたスタジオとして有名で、ジェイムス・テイラーやキャロルも常連だった。
アルバム『少女』は落ち着いた佇まいの作品。だが<汚れ糸>や<空を見上げる夜は>はウエストコースト・ロック色濃厚で、ラーキーのベースのグルーヴ感がスゴイ。ジャッキー・ロマックスに近いバグス・ペンバートンのドラムも爆裂している。キャロルは何処かジョン・レノンのソロ初期を思わせる2曲、タイトル曲<少女>と<はと>でピアノを弾いた。
デビュー50周年を迎えた五輪真弓は、タイミング良く、年明けから何度かに分けて70年代作品群が復刻される。是非この機会に再評価を。
この『少女』は、72年に発表した五輪のデビュー・アルバム。内容的には、フォーキーなシンガー・ソングライター作品と言ってイイけれど、彼女の歌は、反戦など社会的メッセージを背景に持つフォークとも、吉田拓郎やかぐや姫のように大衆に歌いかけるフォークとも違っていた。よりパーソナルで、知的な香りが漂っていた。そして何より1作目にしてL.A.録音で、キャロル・キングやチャールズ・ラーキーと共演しちゃってる。それがスゴく印象的だった。
で、その五輪のL.A.行き、というか、エンジニア兼プロデューサーのジョン・フィッシュバックと、彼が采配を振るうクリスタル・サウンドというスタジオを「使ってみたら?」とオススメしたのが、他ならぬ忠英さんだったそう。正確には、ミューカル・ステーションというマネージメントに身柄を預ける者同士なのだけれど、忠英さんは“日本のイーグルス”なんて呼び声もあった幻のフォーク・グループ:イーストで、ひと足早くL.A.レコーディングを経験。クリスタル・サウンドで、ジョン・フィッシュバックによる録音を行ない、米キャピトルから全米デビューしていた。その実体験が、この五輪のデビュー盤に生かされていたのである。クリスタル・サウンドは、70年代のスティーヴィー・ワンダーが根城にしていたスタジオとして有名で、ジェイムス・テイラーやキャロルも常連だった。
アルバム『少女』は落ち着いた佇まいの作品。だが<汚れ糸>や<空を見上げる夜は>はウエストコースト・ロック色濃厚で、ラーキーのベースのグルーヴ感がスゴイ。ジャッキー・ロマックスに近いバグス・ペンバートンのドラムも爆裂している。キャロルは何処かジョン・レノンのソロ初期を思わせる2曲、タイトル曲<少女>と<はと>でピアノを弾いた。
デビュー50周年を迎えた五輪真弓は、タイミング良く、年明けから何度かに分けて70年代作品群が復刻される。是非この機会に再評価を。
大村憲司がギター弾いてたり、The Sectionのメンバーがバックやったりで和製キャロルキングと言われてましたね。
ただキャッチーさやポップさを売り物にしておらず、微妙な立ち位置だったと思います。
フランスに行ったかで余計目立たなくなりましたが、「恋人よ」がヒットして驚きました。
今聴いてみるとどんな風に感じるのか、それこそ配信で聴いてみます。