
年明けから訃報続きなので、明るくてホンワカしそうなニュースを一本。コンテンポラリー・ハワイアンの幻の逸品、ババドゥのワン&オンリー作が、もうすぐP-Vine【Groove-Diggers】から待望の紙ジャケ・リイシュー。追って春にはアナログ盤も再復刻されます。 CD化自体は09年に済んでるものの、ふと気づけばもう14年も前。今回は解説も担当させていただきつつ。
ババドゥは、L.A.からハワイに戻った元カラパナのkyd奏者カーク・トンプソンがオアフで発掘し、デビューさせたシンガー・ソングライター。本名はソロモン・K・デイヴィス3世というらしく、収録されたいくつかの曲に、このクレジットがある。カークはババドゥに先んじて、総勢18人から成る大型バンド:レムリアをデビューさせており、参加メンバーも、取り上げた楽曲にも、共通点が多い。例えば、カーティス・メイフィールソのサポートなどシカゴにも仕事の拠点を持つマスター・ヘンリー・ギブソン(perc)、後にテンダー・リーフを手がけるキース・エバースバック(kyd)、ソロ・アルバムもあるトロンボーン奏者アイラ・ネプス、ギターのジョン・ラポーザ、シンガーのスター・ウィリアムスらがレムリアから。更にかつてのラポーザのバンド・メイトでカラパナに引き抜かれたマイケル・パウロ(sax)、ミュージック・マジックのドラマー:スコット・コウラーも参加している。
ババドゥのヴォーカルを、「マッキー・ フェアリーとスティーヴィー・ワンダーの融合」と表現していたのは、他ならぬカーク自身。その歌い口は、ソウルフルでジェントルなマッキーの灼けた歌声とよく似ている。さすがにマッキーの歌唱力には及ばず、ちょっとイナタさも漂うが、ハワイ音楽好きには、そのロコなアイランダー・フィーリングが堪らないのだろう。
要チェックは、まず元カントリー・コンフォートのビリー・カウイの極上カヴァー<Words To A Song>。“ハワイのボズ・スキャッグス”とも呼ばれたらしいが、78年に弱冠28歳で夭折し、このセレクトは彼に捧げられた。加えてマイケル・パウロのフルートがブリージーに舞い上がるメロウ・ミディアム<We're Not To Blame>、ノーザン・ソウル・スタイルのシティ・ファンク<I Love Music>、そしてアルバム最後を締めるのがカーク提供の<All I've Got To Give>。これはレムリアも演っていた人気曲で、実はベーシック・トラックは同じヴァージョンを使用しているようだ。スキップするようなポップ・チューン<Forget Leaving>は、マッキーのオリジナルで桑名晴子がカヴァーしている<Million Stars>を書いたチャック・ソウザの提供曲。
既にハワイ産メロウ・グルーヴとして高評価を得ているアルバムだけど、コンテンポラリー・ハワイアンに免疫がない人だと、洗練度が低めだと感じるかも。そういう方は、まずカラパナやセシリオ&カポノを聴いてから。逆にババドゥの後ろにかかる籐の簾に亜熱帯的サムシングを感じる方は、速攻で飛びつくべし。これさえあれば、やたらと寒い日本の冬もヌクヌクです。
ババドゥのヴォーカルを、「マッキー・ フェアリーとスティーヴィー・ワンダーの融合」と表現していたのは、他ならぬカーク自身。その歌い口は、ソウルフルでジェントルなマッキーの灼けた歌声とよく似ている。さすがにマッキーの歌唱力には及ばず、ちょっとイナタさも漂うが、ハワイ音楽好きには、そのロコなアイランダー・フィーリングが堪らないのだろう。
要チェックは、まず元カントリー・コンフォートのビリー・カウイの極上カヴァー<Words To A Song>。“ハワイのボズ・スキャッグス”とも呼ばれたらしいが、78年に弱冠28歳で夭折し、このセレクトは彼に捧げられた。加えてマイケル・パウロのフルートがブリージーに舞い上がるメロウ・ミディアム<We're Not To Blame>、ノーザン・ソウル・スタイルのシティ・ファンク<I Love Music>、そしてアルバム最後を締めるのがカーク提供の<All I've Got To Give>。これはレムリアも演っていた人気曲で、実はベーシック・トラックは同じヴァージョンを使用しているようだ。スキップするようなポップ・チューン<Forget Leaving>は、マッキーのオリジナルで桑名晴子がカヴァーしている<Million Stars>を書いたチャック・ソウザの提供曲。
既にハワイ産メロウ・グルーヴとして高評価を得ているアルバムだけど、コンテンポラリー・ハワイアンに免疫がない人だと、洗練度が低めだと感じるかも。そういう方は、まずカラパナやセシリオ&カポノを聴いてから。逆にババドゥの後ろにかかる籐の簾に亜熱帯的サムシングを感じる方は、速攻で飛びつくべし。これさえあれば、やたらと寒い日本の冬もヌクヌクです。