rene geyer_moving alongrenee geyer band
renee geyereasy pieces

またしても訃報です。今度はオーストラリアから。メルボルン出身の女性ブルー・アイド・ソウル・シンガー、レネ・ゲイヤーが、17日に急逝した。先月までステージに立っていたそうで、股関節手術後に合併症を起こしたらしい。この入院中の検査で末期の肺ガンだったことも分かったそうだが、家族や友人に囲まれて、痛みを訴えることもなく、安らかに旅立ったと言う。享年69歳。

ハンガリー系ユダヤ人のレネは、73年に豪RCAからデビュー。<It's a Man's Man's World> <Heading in the Right Direction> <Stares and Whispers>などをヒットさせて、人気を高めた。バンドを率いての75年作『READY TO DEAL』、モータウン系のプロデューサー:フランク・ウィルソン制作による77年全米デビュー作『MOVING ALONG』あたりは、90年代になってクラブ・シーンで注目された。米国を拠点にした時期もあって、ジョー・コッカーやチャカ・カーン、スティングなどと共演。88年には、アヴェレイジ・ホワイト・バンド解散後のヘイミッシュ・スチュアート、スティーヴ・フェローニ、アンソニー・ジャクソンと組んだイージー・ピーセズで、アルバム発表。しかしこれが不発で、彼女は程なくして故郷へ戻っている。

モノクロの1枚は、元フェイセズの故イアン・マクレガン(kyd)率いるザ・バンプ・バンドとの共演作。バンプ・バンドのベースは、言わずと知れた小原礼である。

実はゼロ年代後半だったか、彼女の70年代カタログの一部を日本で復刻する企画があった。そのため、一時期集中的にレネのソロ・アルバムを聴きまくったことも。結局その後は華々しい活躍はなかったが、そのパッショネイトなハスキー・ヴォイスは忘れられない。

Rest in Peace...