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crosby & nashdavid crossby

今年はホントに大物の訃報が続く。今朝飛び込んできたのは、デヴィッド・クロスビー逝く、の知らせ。19日に亡くなったそうで、妻のジャンは以下のような声明を発表している。
「私たちの愛するデヴィッド・(クロズ)クロスビーが長い闘病生活の末他界し、深い悲しみに包まれています。彼は、妻でありソウルメイトのジャンと息子のジャンゴの愛に囲まれて過ごしていました。彼はもうこの世にいませんが、彼の人間性と優しい魂は、これからも私たちを導き、鼓舞してくれることでしょう。彼のレガシーは、その伝説的な音楽を通して生き続けるでしょう」

「長い闘病生活の末」とあるが、実は近年のクロスビーは、音楽的に絶好調。ここ数年に出したアルバム『LIGHTHOUSE』『SKY TRAILS』はどちらも素晴らしいし、スタジオ最新作『FOR FREE』(21年)にはドナルド・フェイゲン、マイケル・マクドナルドとのコラボ、ジョニ・ミッチェルのカヴァー、ブライアン・ウィルソンの顔出し(声だけど…)などあり、キャリア約55年にして最高傑作といっても過言ではない出来栄えになった (詳細はコチラから) 歌声も未だ若々しく、昨年秋には18年に収録したバンド・ツアーのライヴ・アルバムをリリースしている。

でも若い頃の放蕩生活が祟ってか、イイ年になってからは病気のデパート状態。94年には肝臓移植手術を受け、心臓疾患や糖尿病も患っていた。それでも一昨年のインタビューでは、「音楽を作り続けることで命を繋いでいる」と発言し、体調と相談しながら、レコーディングやパフォーマンスを続けていた。

クロスビーの訃報が出た途端、ネットやSNSにはバーズやクロスビー,スティルス,ナッシュ&ヤングの名が踊り、当時の活躍ぶりが伝えられている。それはそれで書き手の追悼の気持ちだろう。でも、好々爺とした見れくれや優しい歌声に反して、かなりエキセントリックな性格だったというクロスビーのコト。きっと、「ナニ言ってんだ 最近のオレの作品も知らないクセに…」なんてニラミを利かせていそう。

20〜30歳代にキャリアのピークがあるアーティストは少なくないけど、80歳目前に(享年81歳)なってキャリアを代表するような傑作を残す人は極めて稀。自分はCSNYならニール・ヤングよりスティーヴン・スティルスが好き、という人だけど、近年に限ったら圧倒的にクロスビーだ。だからもう少し頑張って欲しかったが、若い頃に納得できるソロ活動ができなかった彼ならではの、落とし前の付け方だったのかも…。

Rest in Peace...