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もう10年ぐらい続いている気の置けない友人たちとの新年会で、気持ちよく酔っ払って帰ってきたら、また訃報が増えていて…。宴の最中にも話題になったけれど、ホント、今年はナンなんでしょう… 出掛ける前に知ってしまったのは、スリー・ドッグ・ナイトのドラマーだったフロイド・スニードの逝去。そして帰ってきてPCを開けた途端に飛び込んできたのは、シンガー・ソングライター:ピーター・マッキャンの旅立ちだった…。

個人的にショックなのは、ピーター・マッキャンの急逝である。ピーターはジェニファー・ウォーンズが全米6位にした<Right Time Of The Night(星影の散歩道)>(77年)や、ジャーメイン・ジャクソン&ホイットニー・ヒューストンがデュエットした<Take Good Care of Heart(やさしくマイハート)>のソングライター。元々は、71年にモータウン傘下のレア・アース・レーベルからデビューしたリペアーズの中核メンバーで、グループ解散後にソロ・デビュー。1stアルバム『PETER McCANN』からは、<Do You Wanna Make Love(恋人たちの午後)>が全米5位を記録している。2年後の2nd『ONE ON ONE』には、リア・カンケルやハワイのザ・クラッシュが歌った<Step Right Up>を収録。よりAOR度の高い作品になった。他にもトビー・ボーやケニー・ロジャース、ポール・アンカ、フリオ・イグレシアス、ニコレット・ラーソン、アン・マレー、カレン・カーペンター、カール・アンダーソン、ザ・ジェッツらに楽曲提供。特にカントリー系シンガーへの提供が多く、アール・トーマス・コンレーやジェイニー・フリックのNo.1カントリー・ヒットを書いている。95年に発表したクリスマス・アルバム『WHAT CHRISTMAS REALLY MEANS』が、最後のオリジナル・ソロ・アルバム。

ピーターが亡くなったのは、26日朝。ナッシュヴィルの自宅で、眠ったまま息を引き取ったそうだ。享年74歳。

フロイド・スニードは、アルバータ州カルガリー生まれのカナダ人ドラマー。スリー・ドッグ・ナイト(3DN)では唯一の黒人である。60年代後半、米国でひと旗上げようと自分のバンドでL.A.へやって来たが、なかなか芽が出ず、68年にバンド・メンバーを探していたヴォーカル・トリオに邂逅。これが3DNの始まりになった。勘違いしている人が多いが、3DNは3人組ではなく、ヴォーカル・トリオを擁する7人組のコト。その全盛期を支えたドラマーが、フロイドだった。しかし77年に3DNが分裂。3人は新メンバーを迎えてバンドを立て直す。一方フロイドら3人は、ルイジニア・ル・ルーなどで歌っていたボビー・キンボールらと組み、S.S.フールズを結成。76年にアルバムを出している。そこにデヴィッド・ペイチが関わったのが縁で、ボビー・キンボールがTOTO結成に参画するのだ。

ポップス・バンドと見なされるコトが多い3DNだけど、ヴォーカル・チームをフロントに据えている分、音楽性の振り幅は大きい。それだけバンドには柔軟性が求められ、相応のテクニックが必要となる。その屋台骨を支えたのがフロイドだった。享年80歳。

2人合わせて、Rest in Peace...