
マサチューセッツ西部を主な拠点に活動していたローカル・バンド、フォレストが78年にリリースしたワン&オンリーの自主制作盤が、CD & Vinylで復刻。オリジナル / Vinylは8曲入りで、CDは未発表曲6曲を追加しての14曲入り。アナログは2枚組で、共に英BBEからのリイシューである。
謎の多いグループだったが、復刻盤には4ページの詳細解説あり。メンバーの何人かはハイスクール時代からの同級生で、その分 影響を受けたアーティストはビーチ・ボーイズからラスカルズ、オールマン・ブラザーズ、オーティス・レディングと多岐に及ぶらしい。しかしバークリー音楽院のあるボストンにも
近いことが幸いし、ジャズ素養を持つプレイヤーが合流。レコーディング時点では、ツイン・ドラム、ダブル・キーボードを擁する総勢6人組となった。録音は州境を挟んだコネチカット州ハートフォードのスタジオで行われている。
そのサウンドは、マイケル・マクドナルド加入直前のドゥービー・ブラザーズとか、ニール・ラーセンが手伝っていた頃のグレッグ・オールマンのソロ作とか、アトランタ・リズム・セクション、70年代中盤のブラッド・スウェット&ティアーズあたりを綯い交ぜにしたような…。L.A.スワンプのような、アメリカン・ロックの大浦♫さが一歩洗練に踏み出したテイスト。プレAORといえば確かにそうだけど、如何にもローカルらしく、78年モノにしては音作りが数年分は遅れている。
でもそうした時代感さえ考えなければ、充分に気持ち良く。個人的に一番近いなァ…と思ったのは、ジェイムス・ウォルシュ・ジプシー・バンドやオーストラリアのスタイラスあたり。ロックとブルー・アイド・ソウルとジャズのエッセンスが程よくミックスした、遅れてきたプレAOR。
聴きモノは、熱いヴォーカルとファンク・ベースで迫る<Findin' My Way Back Home>、スティーヴィー・ワンダー<As>を引用して涼風グルーヴに乗せ換えたような<I Can't Live Without You>、コーラスが印象的なミッド・グルーヴ<Fly Away>、サンタナ風の<Go On Away>、デジタル再生回数No.1のホットなコズミック・ファンク・ナンバー<Crazy Days>あたり。最初はこの音源をメジャー・レーベルに売り込んだらしいが、やはり数年遅れのこの音では相手にされず、結果 一部メンバーが離脱。その後録られたのが未発表の6曲で、めっちゃメロウな<The Long Wait>、縦のりポップ・チューン<Give It Up>、グイ乗りのグルーヴ・ナンバー<Lady Luck>など、失敗したアルバムの反省が見て取れる。でも時代とも巡り合わせが悪かっただけで、内容は悪くないんだけど。この未発表曲で活躍した新加入のビル・ホロマンは、最近のシックのホーン・セクションを担っている御仁。しかしこの後まもなくバンドは解散してしまったようだ。
近年になって発掘される70年代の自主制作モノには、1曲以外は聴くに耐えないとか、正直 眉ツバものが少なくない。けれどコヤツらは、演奏がシッカリしているので安心。アーリー70年代的なヴォーカルがもっと個性的でスタイリッシュだったら、もしかしてメジャー・デビューできていたかも。
近いことが幸いし、ジャズ素養を持つプレイヤーが合流。レコーディング時点では、ツイン・ドラム、ダブル・キーボードを擁する総勢6人組となった。録音は州境を挟んだコネチカット州ハートフォードのスタジオで行われている。
そのサウンドは、マイケル・マクドナルド加入直前のドゥービー・ブラザーズとか、ニール・ラーセンが手伝っていた頃のグレッグ・オールマンのソロ作とか、アトランタ・リズム・セクション、70年代中盤のブラッド・スウェット&ティアーズあたりを綯い交ぜにしたような…。L.A.スワンプのような、アメリカン・ロックの大浦♫さが一歩洗練に踏み出したテイスト。プレAORといえば確かにそうだけど、如何にもローカルらしく、78年モノにしては音作りが数年分は遅れている。
でもそうした時代感さえ考えなければ、充分に気持ち良く。個人的に一番近いなァ…と思ったのは、ジェイムス・ウォルシュ・ジプシー・バンドやオーストラリアのスタイラスあたり。ロックとブルー・アイド・ソウルとジャズのエッセンスが程よくミックスした、遅れてきたプレAOR。
聴きモノは、熱いヴォーカルとファンク・ベースで迫る<Findin' My Way Back Home>、スティーヴィー・ワンダー<As>を引用して涼風グルーヴに乗せ換えたような<I Can't Live Without You>、コーラスが印象的なミッド・グルーヴ<Fly Away>、サンタナ風の<Go On Away>、デジタル再生回数No.1のホットなコズミック・ファンク・ナンバー<Crazy Days>あたり。最初はこの音源をメジャー・レーベルに売り込んだらしいが、やはり数年遅れのこの音では相手にされず、結果 一部メンバーが離脱。その後録られたのが未発表の6曲で、めっちゃメロウな<The Long Wait>、縦のりポップ・チューン<Give It Up>、グイ乗りのグルーヴ・ナンバー<Lady Luck>など、失敗したアルバムの反省が見て取れる。でも時代とも巡り合わせが悪かっただけで、内容は悪くないんだけど。この未発表曲で活躍した新加入のビル・ホロマンは、最近のシックのホーン・セクションを担っている御仁。しかしこの後まもなくバンドは解散してしまったようだ。
近年になって発掘される70年代の自主制作モノには、1曲以外は聴くに耐えないとか、正直 眉ツバものが少なくない。けれどコヤツらは、演奏がシッカリしているので安心。アーリー70年代的なヴォーカルがもっと個性的でスタイリッシュだったら、もしかしてメジャー・デビューできていたかも。