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朝っぱらから、また訃報が飛び交っている。ジャズ・サックスの巨匠ウェイン・ショーター。3月2日、ロサンゼルスの病院で死去。彼の広報担当が明らかにした。享年89歳。死因は不明ながら、大往生といってイイでしょう。

一般的には “マイルス・デイヴィスの…” という枕詞がお馴染みだし、ジャズ・ファンには60年代にブルーノートに吹き込んだリーダー作群が印象深いかもしれないが、ロック〜フュージョン世代の自分としては、やはりウェザー・リポートのアルバム群。ソプラノ・サックスのスピリチュアルな音色、ふわふわと浮遊するような感覚は、ウェインのイメージそのものだったと思う。

一番最初に彼のサックスを強く意識したのは、やはりスティーリー・ダンの『AJA』だ。壮絶なスティーヴ・ガッドのドラムに耳を奪われがちだけれど、ホニョ〜というアブストラクトなサックスも、なかなか耳にへばり付いて離れなかった。当時は正直理解不能だったが、ウェザーとかいろいろ聴いていくと、ウェインのサックスの持ち味が分かってくる。ジャズの巨匠の中では、ジョニ・ミッチェルやカルロス・サンタナなど、ロック勢とのコラボレイトも多かった。

クロスオーヴァー感覚のソロ作品というと、ミルトン・ナシメントを広く紹介したブラジリアンな『NATAIVE DANCER』(75年)をよく聴いたけれど、ウェザー解散後となると、マーカス・ミラーがプロデュースした95年作『HIGH LIFE』。一聴してグルーヴ感のあるジャズ・ファンク好作だと分かるが、実は上モノの構築度がハンパなくて。実質的なリーダー遺作は、01年に自前のカルテット(ダニーロ・ペレス、ジョン・パティトゥッチ、ブライアン・ブレイド)で行なった世界ツアーからのライヴ・シリーズになる。

ウェイン逝去で、もう本気で生き残ってくれているのは、ハービー・ハンコック、それにジョン・マクラフリンやロン・カーターぐらいになっちゃったか…
Reat in Peace...