
今回は坂本龍一トリビュート。世間では、まず日本人初のアカデミー作曲賞を受賞した『ラスト・エンペラー』のサントラが最初に来て、次に『戦場のメリークリスマス』とYMO。ま、それは正しいんだろうけど、自分にとっての坂本龍一は、作曲家・音楽家である以前に、キーボード奏者でありアレンジャー。その最初期の作品が、大貫妙子の2ndソロ『SUN SHOWER』や、りりィのバイバイ・セッション・バンドとして臨んだ『AUROILA』だった。
普通ター坊といえば、RCA移籍後に始まるヨーロピアン・テイストの作品群が代表的。それが現在のシティポップの文脈では、クラウン時代のコレになる。このアルバムが2017年8月に放映された『YOUは何しに日本へ?』に登場したレコード探しの米国人青年のお目当ての一枚で、それを機に海外で起きているシティポップ・ブームの胎動が広く知られたワケだが、そう考えると、シティポップの日本サイドと海外サイドの感性の乖離は、もう最初から勃発していたことになる。
参加メンバーは、アレンジ担当の教授以下、渡辺香津美/松木恒秀/大村憲司(g) 細野晴臣/後藤次利(b) クリス・パーカー(ds) 今井裕(kyd) 斉藤ノブ(perc) 清水靖晃(sax) 向井滋春(tb) 山下達郎(cho)など。当時はみんながクロスオーヴァー/フュージョンの音楽を聴き漁っていたため、自ずと方向性が定まり、半ば偶発的に生まれたモノだという。シングル盤とはテイク違いの<Suumer Connection>を筆頭に、<くすりをたくさん>や<都会>など、人気曲多数。でも<振子の山羊>のイントロとかに、教授のクラウス・オガーマンへの傾倒ぶりが窺えて。
YMO時代は一気に電子音楽やアヴァンギャルドなベクトルに進むけど、映画音楽を手掛けるようになってからは引き出しの多さが求められるからか、敏腕アレンジャーだった頃の顔が見えてくる。そういえば、逝去によって社会的・政治的な活動や、平和とか環境問題についての発言も改めて注目されるようになってきたけれど、元々は高校生時代から学生運動に片足突っ込んでいた左翼系の論客だったそう。若い頃は酒癖が悪くケンカっ早くて、かなりアブナい人だったという。ミュージシャンとして成功してからはそれどころじゃなくなったんだろうが、文化人としてのポジションに立つと、再び社会的メッセージを発するようになった。
美しくて耽美的な作品イメージがあるから、あまり深く考えずにその主張に乗ってしまう人が多そうだけれど、その発想の根幹が反体制的で、元来左寄りであることは知っておいた方が良いのかも。右でも左でもイイけど、日本の大衆って見識よりムードに流されやすい民族なんだよな…
参加メンバーは、アレンジ担当の教授以下、渡辺香津美/松木恒秀/大村憲司(g) 細野晴臣/後藤次利(b) クリス・パーカー(ds) 今井裕(kyd) 斉藤ノブ(perc) 清水靖晃(sax) 向井滋春(tb) 山下達郎(cho)など。当時はみんながクロスオーヴァー/フュージョンの音楽を聴き漁っていたため、自ずと方向性が定まり、半ば偶発的に生まれたモノだという。シングル盤とはテイク違いの<Suumer Connection>を筆頭に、<くすりをたくさん>や<都会>など、人気曲多数。でも<振子の山羊>のイントロとかに、教授のクラウス・オガーマンへの傾倒ぶりが窺えて。
YMO時代は一気に電子音楽やアヴァンギャルドなベクトルに進むけど、映画音楽を手掛けるようになってからは引き出しの多さが求められるからか、敏腕アレンジャーだった頃の顔が見えてくる。そういえば、逝去によって社会的・政治的な活動や、平和とか環境問題についての発言も改めて注目されるようになってきたけれど、元々は高校生時代から学生運動に片足突っ込んでいた左翼系の論客だったそう。若い頃は酒癖が悪くケンカっ早くて、かなりアブナい人だったという。ミュージシャンとして成功してからはそれどころじゃなくなったんだろうが、文化人としてのポジションに立つと、再び社会的メッセージを発するようになった。
美しくて耽美的な作品イメージがあるから、あまり深く考えずにその主張に乗ってしまう人が多そうだけれど、その発想の根幹が反体制的で、元来左寄りであることは知っておいた方が良いのかも。右でも左でもイイけど、日本の大衆って見識よりムードに流されやすい民族なんだよな…
