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シティポップを通り越してネオ・ニューミュージックを標榜する新世代グループ;GOOD BYE APRILの、メジャー・デビュー記念ワンマン・ライヴ『Feel So Brand New』@渋谷duo Music Exchange。以前、倉品クンらメンバーがLIVE Light Mellowに遊びに来てくれたのを機にご縁ができて、マネージャー女史からお呼ばれ。メジャー移籍もあって、顔見知りのミュージシャン、音楽関係者も多く、5日にデジタル・リリースされたばかりのメジャー・デビュー・シングル『Brand New Memory』をプロデュースした林哲司さんの顔も。業界的な期待感の高さが窺える。

まだニュー・カマー的な立ち位置ながら、結成からはもう12年経つとか。かくいう自分も3rdアルバム『XANADU』(20年)、最新アルバム『SWING IN THE DARK』(22年)ぐらいしか聴いてないが、配信シングルで昭和歌謡カヴァー・シリーズ<木綿のハンカチーフ>、<セーラー服と機関銃>をやってたりするのが、シティポップよりも間口の広いニューミュージックを看板にする所以か。杏里の<Last Summer Whisper>のボッサ・アレンジなんかホントによく出来ていて、リテイラーのインディーズ・チャートで上位になったというのも頷ける話だ。

一部で “令和のオメガトライブ”と言われていたそうだけれど、メジャー・デビュー・シングル『Brand New Memory』は、完全にその路線。林さんの共作・プロデュースは、まさに狙いすましたキャスティングと思われ、5月にリリースされる同曲のアナログ・シングルでは、カップリングでオメガの<Transit In Summer>をカヴァーして収めている。これがまた、オリジナルより少しBPMを落としたオトナな仕上がりで、なかなかイイんだな。

そして肝心の、満員のDUOでのライヴ・パフォーマンスは、メンバー4人にキーボード+3管セクション というスペシャル編成。ただ、そもそもこの世代のシティポップ系グループは、打ち込み頼りだったり、ライヴ経験の乏しいバンドが少なくないので、初めて Good Bye April を観る自分としては、「はて、生ではどんなモンなのかな?」というスタンスで。するといきなりノリの良い楽曲を立て続けに繰り出し、「あれッ、こんなにパンキッシュだったっけ」なんて思っちゃうほど、エネルギッシュで迸るような勢いがある。やっぱりメジャー・デビューで気持ちが昂ぶってるんだろうな。

それでも落ち着きを取り戻すと、彼らの魅力であるメロディ・センスと、均整の取れたアレンジの妙が前に出てきた。演奏にハッタリやギミックがないところも好感で、アラ・サーのバンドにしては安定感がある。最近は、良くも悪くも大上段に構えた技巧的な若手バンドが多いからな〜。でもGood Bye April の場合は、まず楽曲のメロディと、シンガー倉品翔の伸びやかなスウィート・ヴォイスが一番の魅力。それをアピールするバンドなのだ、ということを、メンバーみんなが弁えているように思える。ただひとつ苦言を呈すと、今回のライヴは音があまり良くなくて、その歌声の魅力までは届かなかった気がするけど‥。ま、そこは家で音源で楽しむとして、メジャー転向した今後のテーマにしてほしい。大いに期待してます。

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