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お呼ばれして、『僕たちはポール・マッカートニーになりたかった』vol.2@目黒ブルース・アレイ・ジャパン。若い頃にビートルズに憧れたビートルズ世代のベテラン・ミュージシャン、芳野藤丸・濱田金吾・ミッチー長岡の3人が主導する、愛に溢れた道楽バンド(?)、昨年に続いく2度目のライヴを観た。でもサポート陣が岡本郭男(ds) 安部潤(kyd) 竹上良成(sax) 小林正弘(tr)、原久美・VohoE(cho)という豪華布陣だから、遊びと言えども気合いが入っている。前回は同時配信が入っていてカヴァーに制約があったため、今回は敢えてカメラは入れず。ソロ回し用のハービー・ハンコック<Cantaloupe Island>と、アンコールにアカペラで披露された<Moon River>以外は、すべてビートルズ・ナンバーで固められた。

オープニングは、ミッチーさんが歌う<Day Tripper>。そして藤丸さんが歌う<Come Together>と続いていく。アレンジは比較的原曲に忠実で、そこにソロ・パートを加えたり、ホーンを挿したりする程度。それでもコーラス好きの面々が多いこともあって、隠れ名曲<This Boy>とか<Nowhere Man>あたりのチョイスが嬉しく。この企画では、SHOGUNのライヴでは1〜2曲歌う程度のミッチーさんが、昔取った杵柄か、積極的にヴォーカルを取っていて、しかも<Mr. Moonlight>とか<I'm Down>、<She's A Woman>、<Michelle>とか、難易度の高いのを選んでいる。終演後に話をしたら、「あんなの、選ばなきゃイイのにね〜」って自虐ネタも(苦笑

原曲踏襲パターンが多い中にあって、一際異彩を放ったのは、唯一、安部潤がアレンジした<In My Life>と、金吾さんアレンジの<I Will>。大人の学芸会的ノリの中、<In My Life>は超マジのハイレヴェルなお仕事で、まさに荘厳かつシンフォック。<I Will>はちょっとジャズ・スウィングなスタイルで、「ケニー・ランキンみたい」と感想を伝えたら、ドンズバでした

また今回は、みんなに歌わせるという趣旨で、VahoEが<Let It Be>、久美さんが<The Long And Winding Road>を。確かVahoEは前回ダニー・ハサウェイを歌った気がするけど、今度もド直球なセレクトで激アツな歌を披露。久美さんは十八番のボッサなアレンジで来るかと思ったら、真っ向バラードを歌い上げてくれました。

そして本編ラストは<Get Back>、アンコールで<kasas City>。藤丸さんは「有名な曲ばかりで、メチャクチャ演りにくい」とこぼしていたが、その分、オーディエンスと一体になれるのが強み。次回は是非、ホーンがいるところで<Got To Get You Into My Life>とか<Penny Lane> <All You Need Is Love>とか、ミッチーさんのベースが楽しみな<Taxman>とか<Paperback Writer> <Rain>、藤丸さんのギターを聴きたい<While My Gently Weeps>なども聴いてみたいところ。それにアカペラで<Because>とか。

ライヴ経験の乏しい若手バンドに、学芸会パフォーマンスを見せられたらゲンナリしちゃうけど、こういうキャリア組のお楽しみには、多少リハーサル不足であっても、シッカリ伝わるモノがある。だから、また足を運んじゃおうか、と思えるんだな。