
ステイト・カウズやPage 99、マイルズを超越する衝撃がここに!
突如L.A.から現れたマーク・サムソン(vo)とジェフ・ハニーカット(kyd)によるAORデュオ、2021年発表の1stアルバムを日本発売。
ペイジス、マクサス、TOTO、スティーリー・ダン好きならマスト!!
諸般の事情が重なってリリースが延びていたファン・フィクションのデビュー・アルバム『 ANTICIPATED HITS』が、いよいよ来週17日に発売される。元々のデジタル・リリースは2021年9月。“ファン・フィクション”というのは、主に原作者以外の愛好家が、既存のキャラクターや設定を流用して書いた二次創作やパロディのようなフィクションを指す表現だ。だからこのユニットにも、何やらたくさんのトリックが隠されている。
マーク・サムソンとジェフ・ハニーカットというメンバーの名前も、実は偽名。本名はマークがマイケル・ベーカリー・グリーン、ジェフがタイラー・キャッシュという。アルバムには「伝説的ギタリストのディーン・パークス、同じく伝説的シンガーのマーティ・ハートマンが参加」とあるが、後者のマーティ、これもタキシードのメイヤー・ホーソーンのことだ。何故そんなヤヤこしいコトをするのかはよく分からないが、彼らの楽曲のいくつかには、愛と音楽に満ちた救世主や創造主、対する破壊神のような存在が登場する空想のスピリチュアル・ストーリーがある。彼ら自身、自らのサウンドを “クリスチャン・ロック的”と表現していたりも。もちろんCCMではナイのだが…。
でもその音から感じるのは、70〜80年代のウエストコースト・サウンドや、いわゆるAOR。TOTOやスティーリー・ダン、デヴィッド・フォスター&ジェイ・グレイドン、ペイジス、それにマクサスなどの影響を濃厚に感じるのだ。
「僕らに明らかな影響を与えた音楽なのに、今は誰もやっていない気がしたんだ。少なくともL.A.周辺ではね。これは1981年のL.A.のバンドに対するラヴレターのようなスタイルなのさ」
「スティーリー・ダンには小さい頃から夢中だった。ペイジズとマクサスはバンドを結成した後に知ったけど、ペイジズの3rdは『ANTICIPATED HITS』にとりわけ大きな影響を与えているね」
でもこのバンドの結成はそんな昔のことではなく、実は2016年。そのキッカケを作ったのが、ローウェル・ジョージの娘で、ザ・バード・アンド・ザ・ビーのイナラ・ジョージというから面白い。そしてその頃タイラーは、メイヤーのバンドでキーボードを弾き始め、2年ほど一緒にツアーしていたという。一緒に来日もしていて、オープナー<MIster Minit>はまさに彼が東京の地下鉄で見かけた某チェーン店から名付けられた。
「メイヤーは素晴らしいファルセット・ヴォイスを持っている。だからこのアルバムでは、彼が僕らのマイケル・マクドナルドにならなければならないと思った」
<A Staler Tale>はペイジズの<Sesatia>スタイルのシャッフル。<Christopher 9>は間違いなくフォリナー<Waiting For A Girl Like You>に影響を受けているが、後半の展開はほとんどスティーリー・ダン。一方で、アル・スチュワート<The Year Of The Cat>、デイヴィッド・ゲイツ<20th Century Man>に感化された楽曲もあり、間口は結構広いか。
ジノ・ヴァネリ風イントロからマクサス風に展開し、サビではジョセフ・ウィリアムス(TOTO)っぽいハイトーン・ヴォイスが登場する<Back To Philly>。ここでフィーチャーされるポール・ステファン・ウェルズとは、元マクサスのジェイ・グルスカの愛息イーサン・グルスカだ。彼はソロや姉バーバラとのユニット:ベル・ブリゲイドなどでアルバムをリリースしており、実はジョセフは母親方の叔父さんに当たる。
「僕らはもう10年以上、イーサンと付き合いがあるんだ。2人ともそれぞれ違うタイミングで、ベル・ブリゲードでプレイしたことがあってね。ベル・ブリゲードのツアー中だったか、彼らが僕のためにマクサスの曲を演奏してくれたことがある。彼らは僕が一瞬にして好きになることを確信していたんだろう。実際そうなってしまったよ」
なるほど、「僕らはTOTOやマクサスの面々が若い頃にやっていたのと同じように、アチコチのバンドで演奏したり、セッション・ワークを行なっていた」というのは、あながちハッタリではなかったようだ。
現在進行形のバンドでは、スウェーデンのステイト・カウズを意識している。
「マクサスやペイジズの3枚目と同じくらい、彼らのアルバム『THE SECOND ONE』を聴いたかもしれない。彼らは僕に、アルバム制作を実現するためのインスピレーションを与えてくれた。ただ仲間と楽しく遊ぶためだけの趣味の音楽である必要はないんだとね」
もちろん日本がAORの盛んな国であることもシッカリ認識。
「メイヤーと行った時に気づいたんだ。ディスクユニオンや渋谷のいくつかのレコードバーに通って、開眼させられたんだ。あの時のツアーで僕は日本が大好きになった」
そんなファン・フィクション、音はサブスクだって聴けるけれど、隠しネタ満載の拙ライナーは是非CDで。
マーク・サムソンとジェフ・ハニーカットというメンバーの名前も、実は偽名。本名はマークがマイケル・ベーカリー・グリーン、ジェフがタイラー・キャッシュという。アルバムには「伝説的ギタリストのディーン・パークス、同じく伝説的シンガーのマーティ・ハートマンが参加」とあるが、後者のマーティ、これもタキシードのメイヤー・ホーソーンのことだ。何故そんなヤヤこしいコトをするのかはよく分からないが、彼らの楽曲のいくつかには、愛と音楽に満ちた救世主や創造主、対する破壊神のような存在が登場する空想のスピリチュアル・ストーリーがある。彼ら自身、自らのサウンドを “クリスチャン・ロック的”と表現していたりも。もちろんCCMではナイのだが…。
でもその音から感じるのは、70〜80年代のウエストコースト・サウンドや、いわゆるAOR。TOTOやスティーリー・ダン、デヴィッド・フォスター&ジェイ・グレイドン、ペイジス、それにマクサスなどの影響を濃厚に感じるのだ。
「僕らに明らかな影響を与えた音楽なのに、今は誰もやっていない気がしたんだ。少なくともL.A.周辺ではね。これは1981年のL.A.のバンドに対するラヴレターのようなスタイルなのさ」
「スティーリー・ダンには小さい頃から夢中だった。ペイジズとマクサスはバンドを結成した後に知ったけど、ペイジズの3rdは『ANTICIPATED HITS』にとりわけ大きな影響を与えているね」
でもこのバンドの結成はそんな昔のことではなく、実は2016年。そのキッカケを作ったのが、ローウェル・ジョージの娘で、ザ・バード・アンド・ザ・ビーのイナラ・ジョージというから面白い。そしてその頃タイラーは、メイヤーのバンドでキーボードを弾き始め、2年ほど一緒にツアーしていたという。一緒に来日もしていて、オープナー<MIster Minit>はまさに彼が東京の地下鉄で見かけた某チェーン店から名付けられた。
「メイヤーは素晴らしいファルセット・ヴォイスを持っている。だからこのアルバムでは、彼が僕らのマイケル・マクドナルドにならなければならないと思った」
<A Staler Tale>はペイジズの<Sesatia>スタイルのシャッフル。<Christopher 9>は間違いなくフォリナー<Waiting For A Girl Like You>に影響を受けているが、後半の展開はほとんどスティーリー・ダン。一方で、アル・スチュワート<The Year Of The Cat>、デイヴィッド・ゲイツ<20th Century Man>に感化された楽曲もあり、間口は結構広いか。
ジノ・ヴァネリ風イントロからマクサス風に展開し、サビではジョセフ・ウィリアムス(TOTO)っぽいハイトーン・ヴォイスが登場する<Back To Philly>。ここでフィーチャーされるポール・ステファン・ウェルズとは、元マクサスのジェイ・グルスカの愛息イーサン・グルスカだ。彼はソロや姉バーバラとのユニット:ベル・ブリゲイドなどでアルバムをリリースしており、実はジョセフは母親方の叔父さんに当たる。
「僕らはもう10年以上、イーサンと付き合いがあるんだ。2人ともそれぞれ違うタイミングで、ベル・ブリゲードでプレイしたことがあってね。ベル・ブリゲードのツアー中だったか、彼らが僕のためにマクサスの曲を演奏してくれたことがある。彼らは僕が一瞬にして好きになることを確信していたんだろう。実際そうなってしまったよ」
なるほど、「僕らはTOTOやマクサスの面々が若い頃にやっていたのと同じように、アチコチのバンドで演奏したり、セッション・ワークを行なっていた」というのは、あながちハッタリではなかったようだ。
現在進行形のバンドでは、スウェーデンのステイト・カウズを意識している。
「マクサスやペイジズの3枚目と同じくらい、彼らのアルバム『THE SECOND ONE』を聴いたかもしれない。彼らは僕に、アルバム制作を実現するためのインスピレーションを与えてくれた。ただ仲間と楽しく遊ぶためだけの趣味の音楽である必要はないんだとね」
もちろん日本がAORの盛んな国であることもシッカリ認識。
「メイヤーと行った時に気づいたんだ。ディスクユニオンや渋谷のいくつかのレコードバーに通って、開眼させられたんだ。あの時のツアーで僕は日本が大好きになった」
そんなファン・フィクション、音はサブスクだって聴けるけれど、隠しネタ満載の拙ライナーは是非CDで。