hi fi set_diary

午後イチ打ち合わせから、家に戻って執筆仕事。ちょっとスケジュールが詰まってきたので、軽く聴き流せるハイ・ファイ・セット、77年の第4作『THE DIARY』を。実はチョッと打ち合わせのハナシの内容とも絡んでいるんだけど、やっぱりハーモニーって物凄く重要。音楽とはメロディ、リズム、ハーモニーこそが三大要素であって、歌詞はその次。ヴィジュアルやダンスは単なる添え物。達郎さんも最新インタビューで言ってるじゃない? 「人間が消えて音だけになるのが、僕にとっての音楽の理想形」って。ストーリーやダンスを取り入れるのは決して悪いコトじゃないけど、もし音楽のクオリティが下がってしまったり、音楽が物語に従属してしまうなら、それは本末転倒なのよ。

さてこの『THE DIARY』は、彼らにとって初のL.A.録音。リー・リトナー/デニス・ バディミア(g)マックス・ベネット(b)ハービー・メイスン(ds)バド・シャンク/アーニー・ワッツ(sax)らが参加し、セルジオ・メンデスの下にいたボブ・アルシヴァーがアレンジを担っている。シングルに切られた<恋の日記(The Diary)>はニール・セダカがオリジナル。<遠くからみちびいて (You Turn Me Around)>はバリー・マン=シンシア・ワイル作で、ライチャス・ブラザーズ、シュープリームス、ジャック・ジョーンズ、シェリル・ラッドらが取り上げている。<愛こそすべて (Only Love Is Real) >は、キャロル・キングが75年作『THOROUBRED(サラブレッド)』で発表したもの。<海辺の避暑地に>はフランスのシンガー・ソングライター:ミシェル・ジョナスの作品だが、こういう曲を選んでくるのが、当時のアルファ、延いては村井邦彦のセンスなのだ。ホーン・セクションは日本でのオーヴァーダブ。

メンバーと松本隆が書いた<風の街>、大橋純子のパートナー:佐藤健が提供した<個人的メッセージ>なんてものあるけれど、ココはやっぱり故・滝沢洋一の<メモランダム>が秀逸。唯一のアルバム『レオニズの彼方に』はマニアの間で再評価されたけれど、もっと知られてイイ人なんだけどな。それにしても、山本潤子さんのクリスタルな歌声は、やっぱり唯一無二。復帰の日はまだ遠いのだろうか?

なおこの『THE DIARY』は、ソニーミュージックショップ内オーダーメイドファクトリーでの発売です。