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原久美『Blessings, My Breath』New Release Live@JZ BRAT Sound of Tokyo へ。00年のデビューから現在までの曲をリヴァイブし、今のフィーリングで再構築した新録ベスト『Blessings, My Breath』が、この日の午前0時から配信スタート、というコトで、それに合わせての約1年ぶりのソロ・ライヴとなった。

メンバーは久美さん (vo, g) 以下、芳野藤丸 (g, cho) 濱田金吾 (b, cho) 宮崎まさひろ (ds) 安部潤 (kyd) 小林正弘 (tp,flh) に、ゲスト枠で林政宏(kyd)と、藤丸さん・金吾さん周辺ではお馴染みの、気心の通じたベテランの面々。歌うのがボサノヴァ系なワケだから、この安定感、リラクシンな感じが、とっても心地イイ。

『Blessings, My Breath』という新録ベスト・アルバムは、2枚組のような構成になっていて、Bless from Rio というテーマで8曲、 My Breath from Tokyo というテーマで7曲、計15曲が収められている。しかも全曲彼女自身の作詞・作曲・編曲(一部の作詞の共作あり)。それを単にアレンジだけでなく、メロディや詞にも新たに手を加え、今の原久美をアピールしている。この日のライブでは、その大きなテーマを1st Stage, 2nd Stage それぞれに振り替え、最近の曲なども絡めてパフォーマンスしてくれた。

そこで改めて感じたのは、久美さんが書く楽曲の魅力の高さ。ブラジル修行の経験もあるヒトだけれど、元々はフュージョン大好き女子大生で、音楽的キャパシティが広く、ただボサノヴァ一辺倒ではない。それがメロディやアレンジにも程よく投影されていて、一般的な音楽ファンには敷居が低くて入りやすい。それでいてチョッとした仕掛けもあり、奥行き感もタップリ。再構築したベスト・アルバムでそれが一層うまくまとめられているのだろう。実は配信リリースはチェックできないままライヴに臨んでしまったけれど、これは早々にチェックしなくては。

それから久美さんのセルフ・プロデュース能力の高さ、それを実感。MCも自然体なのに、シッカリとライヴ全体、アルバムとのリレーションを俯瞰しながら進行させているのが伝わる。元々ヴォーカルは上手いけれど、シンプルな分、自分の在り様をそのまま表現していくしかないボサノヴァ・スタイルにいて、自身をどうアピールしていくべきか、ベテラン・サポート陣をどう名脇役に仕立てていくか。そういうセンスに長けている。ヴェニューのシートがイイ感じで埋まっていたのも、自分をどのように音楽ファンに見てもらったら良いか、そのツボを心得ている成果なんだと思うな。


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