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山下達郎 RCA / AIR YEARS Vinyl Collection第2弾『RIDE ON TIME』が我が家にも。…といっても、『FOR YOU』の時に書いたように(詳しいポストはコチラから)、自分はオリジナルのアナログ盤を持っていたら再発は買わない主義なので、ポチッたのは相方。自分は便乗組でありんす。上に並べたのも、『FOR YOU』同様、80年オリジナル、『RCA / AIR YEARS LP BOX 1976-1982』所収の02年盤、そして今度の23年リマスターと特典メガジャケの4点揃い。ちなみに初回アナログのフェイス・カヴァー(タイアップのマクセルCMに使用されたデザイン)は、もうとっくに紛失してしまった…

2023年リマスターは、やはり『FOR YOU』 と同じで大きな音質の差は感じられず、若干音圧が上がって身が詰まった感覚。とにかく最初に聴いた時は、伊藤広規+青山純のリズム・セクションに初めて触れて、「こんなに重いビートでイイんだろうか?」なんて考えが頭をよぎったのを思い出す。特に青ジュンのドラムは、ドッシリ重量感があって、前任:上原ユカリのしなやかなビートが好きだった自分としては、最初はかなり違和感を持っていた。後になって、実はプログレ好きと聞いて腑に落ちたが、更にジェネシスのコピーを演っていたと知ってからは、逆にまた分からなくなった。フィル・コリンズなら、もっと軽やかに変幻自在のドラムを叩くだろ〜ッ、と。

でもヘヴィーな割に、不思議とどんな曲にも適応していて。その真骨頂が16ビートのナンバーで、ハネているのにキックやスネアの一音一音の存在感がスゴイ。通常16ビートのグルーヴといえば、スネアのゴーストノートやハイハットの細かいアクセントなどを含む、ドラム・パターン全体で繰り出すもの。でも青ジュンは自分だけが持っている重いシンコペーションを武器に、ここから独自のポジションを築いていった。

アルバム『RIDE ON TIME」といえば、メンバーの難波弘之(kyd)のソロ作に提供した<夏への扉>、吉田美奈子に書いた<Rainy Day>と<雲のゆくえに>などが収められていたのも珍しいところ。初ヒット<Ride On Time>のアルバム・ヴァージョンや、オープナー<いつか>がよく話題にされるけれど、個人的にはライヴ人気の高い<Daydream>、アイズレー・ブラザーズ張りのファンク・ビートに激しいギターが絡む<Silent Screamer>あたりが一番好みだ。ムーン移籍後は薄まってしまったバンド・フォーマットによる濃密な一体感が、ピークへ向けて疾走し始めた感覚があった。

『FOR YOU』再発は早々に売り切れてしまい、追加プレスが上がってくるのを待っている状況。このアルバムもポチるつもりの方は、どうぞお早めに。