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既報の通り、PANTA(本名・中村治雄)が 7 日午前、肺癌による呼吸不全と心不全のため、逝去した。ここしばらく闘病が続き、入院していた時期もあったが、6月14日、夕刊フジロックでのパフォーマンスが最後のステージになった。享年73歳。

PANTAといえば過激な政治的メッセージで知られる頭脳警察を率いた、和製ロック黎明期の立役者の一人。でも自分が馴染みのあるのは、むしろソロ活動を始めてからで、PANTA & HAL の79年作『マラッカ』とか、よく聴いた。ソロとしては3作目で、HALとしては最初の作。HALの名は、スタンリー・キューブリックの映画『2001年宇宙の旅』に出てくるスーパー・コンピュータに由来する。

PANTA以外のメンバーは、ギター2人にドラムとベースというシンプルさ。そのギターの一方が、実は今剛というのも意外なところで、当時の今さん、まだ20歳前後とか。ココで突然脚光を浴びて、それからパラシュートへ。「あぁ、PANTAのトコでカッコ良いギター弾いてた人だ!」と思ったのが蘇った。メッセージ的には相変わらず尖っていて、ポリスを意識したような、レゲエを取り入れたキレの良いエナジー・ロック・アルバムだったな。

石川セリや桑名晴子が歌った<ムーンライト・サーファー>は、実はPANTAの作。実像は結構優しい人だったそうだ。そしてもう、激しくアジる必要もなくなった。どうぞ安らかに…

また日本のロック史の生き証人がいなくなった。