beatles_now and then

率直に言って、つまらん…。世間では、特にSNSでは賛否両論が激しく渦巻いていて、それこそがビートルズらしいと思うけど、いっさいの前情報ナシにこの曲を聴いて、みんな絶賛できるのか?、大いに疑わしい。結局ビートルズという看板と、刷り込まれたストーリーに翻弄され、前振りのメイキング映像や公開されたばかりのピーター・ジャクソンによるMVに感動して、どんな曲か なんて関係ナシに、新曲が出るという事実の前に判断のバロメーターが振り切れてしまっているのではないか、と思う。

個人的には、<Free As A Bird>も<Real Love>も「こんなモンかいッ!?」という感想で、新曲が出たという事実以上の感慨はなかった。だから今回も、それを超えるモノなんかあり得ないと、ハナから期待もせず、「やっぱりなぁ〜」と。内容的にもビートルズではなく、せいぜいジョン&フレンズ、と呼ぶのが妥当ではないか。ポールが一生懸命作ったのは分かるけど、ジョンはもちろん、ジョージが生きていたら果たしてどうなっていたか? 完成版ではカットされてしまっていたBメロ入りの方が、少なくてもジョンらしい作風になっていた気がする。

これから復刻される赤盤・青盤も楽曲追加される(赤盤12曲・青盤9曲)そうだが、この2組のベストは、あの73年というタイミングでジョージ自身が選曲したからこそ、意義があると思う。追加トラックのセレクトはそこそこ納得できたとしても、あの流れを崩すこと自体、大いに疑問。少なくても全曲オリジナルという大前提は崩されてしまうワケで。しかも<Long And Winding Road>の後に<Now And Then>が来るなんて これはもう醜悪としか言いようがない

おそらく当分は賛否の嵐が吹き荒れるだろうけど、ビートルズ評論の第一人者F氏もSNSに、個人的意見として、“曲は「こんなもの」、ジャケは「最悪」、MVは「チョー最高」” と書かれていた。う〜ん、サスガに冷静な、極めて真っ当なご意見。ビートルズの新曲というだけで無条件に崇め奉るのは、やっぱりおかしい。自分は今回、サブスクで聴けりゃイイとオール・スルー。ってか、MV以外じゃ、もう自ら進んでは聴かないかも。