caed802f.jpgなんか、いいなぁ。この人の飄々とした佇まい。

ジェシー・ハリスといえば、ノラ・ジョーンズの「Don't Know Why」を書いたソングライターとして一躍脚光を浴びた人。そのあと日本で一枚(インディ時代の2作品を編集したもの)、ヴァーヴ傘下のブルーサムから初のメジャー盤を出している。でもそうした成功など何処吹く風で、淡々とマイペースを崩さない。意外なほど早く新作が出たとはいえ、力んだところは皆無。彼はきっと「うん、サラッと出来ちゃったんだよね」なんて言うのだろう。

最近、ジョン・メイヤーやジェイソン・ムラーツなど、いわゆるシンガー・ソングライターが注目されている。ホントならジェシーもこの系譜に並べられて良さそうなモノだけど、彼の場合は世代がひとつ上だし、ジャズ・フィールドに片足突っ込んでやってきた人なので、彼らのようなポッと出の連中とは一線を画している。ノラと知り合ったのもジャズ・フィールドだったそうだし、ビル・フリーゼルなんていう職人ギタリストを崇めているのもユニーク(ここにも何曲か参加している)。それにストリングスのアレンジは、かのヴァン・ダイク・パークスだし。

そう思ってこのアルバムを聴くと、ポール・サイモンの影を強く感じる。「アレッ、ジェシーってこんなだったっけ?」
 自分の聴き方が悪かったのだろうか。過去のアルバムも真剣に聴き直す必要がありそうだ。ルックスは高橋ユキヒロ、音はポール・サイモン、となるとスタンス的には差し詰めエルヴィス・コステロあたりのイメージか。唯我独尊と思わせつつ、意外と俗っぽさがあったりとか。
そーいえば、ポール・サイモンのリマスター盤もドドドッと出ましたね。さすがに全部買うのはキビシーけど、初期の何枚かは是非買い直さなくては。きっとジェシーもそうしてるよ。