48ca2252.jpg9/22に『東京シティ・ポップ70's』という、はっぴいえんど〜ティン・パン・アレー〜YMO系のワークスを集めた2枚組コンピが発売される。某音楽誌向けにその紹介原稿を書くため、ボクは編集部から届いたそのサンプルCD-Rを聴きながら、パソコンを打っていた。そして細野さんの<はらいそ>が終わり、突然あの叫びにも似た声がエコーたっぷりに耳へ飛び込んできた。
「この次はモア・ベターよっ!」
次の瞬間、<ライディーン>のあのお馴染みのフレーズがスタート。そう、細野さんはすべて計算尽くだった。コアなファンはYMOのデビューで、あのギャグの真意を知っただろう。だが、はっぴいえんどのブームを追っているような今の若い世代だと、ここで初めて彼の狙いを知るコトになるのかも。実際アーティストの真意を汲み取った愛情に溢れたコンピだし、レーベルを越えた33曲の収録には熱い想いが籠っている。

その<はらいそ>をクローザーにしたオリジナル・アルバムがこれ。ソロ第2作『トロピカル・ダンディ』からスタートした細野さんのエキゾティック・アプローチは、傑作『泰安洋行』を経て、ここに至った。正確な名義は“ハリー細野&イエロー・マジック・バンド”。高橋ユキヒロはまだ不参加だが、坂本龍一はもう3曲でプレイ。細野の頭の中には、YMOの青写真が出来つつあった。エキゾティック×ディスコ×クラフトワーク。本作の翌年に登場したYMOのデビュー盤では、まだ手探りの部分があったものの、次の『SOLID STATE SURVIVOR』は実に痛快だったのを思い出す。YMOへの布石として、この『はらいそ』の意義はとても大きい。

ちなみに「この次はモア・ベターよっ!」というフレーズは、映画評論家の小森のオバチャマが“今夜はモア・ベターよ”と使っていたのが原形。それを深夜帯のバラエティ番組で、アンニュイお姐系のパーソナリティが自分のコーナーのエンディングで、「この次はモア・ベターよっ!」とアレンジして使っていた。それが確かちょっとH系のコーナーで、パーソナリティーは横に寝かせた手を垂直に起き上げながら、そのセリフを吐くのである。つまり、いきり立ったオチ●チ●を指してるわけで、当時はコチラが話題になったような記憶がある。あの女はたしか、ませれいら、とかいう名だったかな?