22ad7ff2.jpgあらら、忙しい忙しいと言ってる間に、10月に突入してしまいました。2004年もあと1/4しか残っていないなんて、ちょっと信じられません。
とにかくこのサイトを立ち上げた前後から公私共に急に忙しくなってしまい、9/26のDJイベント、9/30のLIVE LIGHT MELLOW、そして某誌のイーグルス特集入稿で、ひとつのピークを乗り越えた感じかな。でもまだ週明けまでは月刊誌の締切に追われているのだけれど。

そうした原稿をやっつけつつ、こんな激レア盤を聴いています。でもこれ、プリティ・シングスぢゃねぇーぞ(分かった人はブリティッシュ・オタクですね)
そう、これはタイトル通り、Boy Meets Girlのアルバム。もちろんあのヒット曲<Waiting For A Star To Fall>や<Oh Girl>で有名な、男女デュオのこと。ホイットニー・ヒューストンの<すてきなSomebody>や<How Will I Know>の作家コンビとしても有名だよね。でもこんなの知らないぞ、というアナタ。そーなんです、知らないはずなんです、フツーの音楽ファンは。でも知ってる人にとっては、エッ☆☆と驚く幻ネタなのです。

事情を説明しますと、これは彼らが90年リリースするはずだった幻のサード・アルバム。このようにアルバムは完成したのだが、所属レーベルの米RCA(現BMG)は、これでは前作のようには売れないと判断、作り直しを求めてお蔵入りさせてしまったのだ。その後、事実上夫婦関係にあった2人がコンビを解消。Boy Meets Girlは2枚のアルバムを残してシーンから消えることになる。
ところが、このサード・アルバムを先行リリースする予定だったドイツでごく少数が市場に流れてしまい(市販されたのかサンプルのみかは不明)、それが最近のオークション市場で高騰。日本円にして3万とも5万とも、あるいはそれ以上と言われる高値をつけていた。それくらい珍しいCDなのである。

しかし、このコンビが昨年、突然の復活。自主制作で『THE WONDERGROUND』という新作を発表した。次いで自分たちのサイト、http://www.boymeetsgirlmusic.com を立ち上げ、そこでこのアルバムのリイシューを準備中と発表した。だが音源の権利を持っているのは、大メジャーのBMG。予想よりも大幅に時間がかかったけれど、ようやくここリイシューが実現したワケである。クレジットを見ると、どうやら発売権をBMGに借り受けての再発らしく、日本でヴィヴィドあたりがやっているのと同じ手法で出したようだ。

さて、その内容は? 大雑把にいうと、従来のBoy Meets Girl ファンならまず間違いのないレベル。たしかにズバ抜けた曲がない(粒は揃ってるけど)し、サウンド的にちょっと懲り過ぎて煮詰まってる雰囲気はあるけれど、かといってリリースをためらうほどの劣悪作品では決してない。プロデュース陣を見ても、フィル・ラモーン、アリフ・マーディンとメンバーのジョージ・メリルという豪華さで、これをお蔵にしちゃうなんて金もったいねぇー!ってなモン。意外なのはブーツィー・コリンズが2曲でアレンジを担当、自分のバンドを率いて参加しちゃってるトコロか。1曲はスクリッティ・ポリッティが突然ポップになった感じで、あまりブーツィっぽくなくて面白かったりする。

いずれにせよ、こうしたレア盤が簡単に手に入れられるようになったのは喜ばしいこと。ebayで大枚叩いた日本人マニアがいたようだケド、きっと今頃は地団駄踏んでいるのではないかな? かくいう自分も一度このアルバムのオークションに参加したコトがあったけど、3万を越えたところで完全に諦めました。幸い、CD-Rを貰える伝手だけは確保できたので。ただこれも限定プレスだろうから、彼らのサイトで“あるうちに買うときや”ですゾ。

それにしても、Boy Meets Girlにはファーストとセカンドの間にもお蔵入りした音源がある。実際、日本のA&Mからは<Heartbreaker>というシングルが出ているし。一応それなりの成功を収めたデュオだけど、かなり苦労もしたんだろうな。