b85b39e2.jpgもちろん、とっくに聴いてましたよ。ただサイト本体の【recommend】で紹介しようと思ってたので、blogではネタにしてなかっただけです。でも3ヶ月も更新を溜めてしまうと、それなりにまとまった時間がないと手がつけられない。なので、先にココで書いておくことにしました。だって、それだけ素晴らしいアルバムなんだから!
内容はタイトル通り、モータウン・カヴァーの第2集。1枚目の時も素晴らしくて結構よく聴いたのだけれど、今回はそれを上回った印象アリ。その理由は前回よりも馴染みのある曲が多いからかな? <What's Going On>とか<Mercy Mercy Me>、<After The Dance>なんてマーヴィンの定番が多いし、<Reach Out, I'll Be There>や<Tracks Of My Clown>あたりはかなりベタなセレクション。それだけにマイケルの歌いっぷりにも熱が入っていて、いいオッサンがシャウトしちゃったり。そうかと思うと、<Stop, Look Listen>ではトニー・ブラクストンと甘いデュエットも。スティーヴィー・ワンダーがハーモニカでゲスト参加、なんて曲もあります。

最近、ロッド・スチュワートやボズ・スキャッグス、チャカ・カーン、エリック・クラプトンなど、大ベテランが自分のルーツに立ち帰る作品が多い。特にロッドのスタンダード集なんて連続3枚でしょ? 最初から好企画だとは感じたけど、アソコまで売れるとは思わなんだ。でもロッドは70年代中盤に“Atlantic Crossing”した頃から、きっとアレを究極の目標にしてたんだよね。それにロッド、ボズ、チャカの3人とも、新しいレーベルへ移籍したばかりだったり、自分のレーベルを立ち上げたりと、既成のディール下ではこうした企画が通らなかったことを示唆している。クラプトンだってハナっから自分のレーベルだしね。そしてかくいうマイケルも、英ユニバーサルからお声が掛かったからこそ、こうしたカヴァー・アルバムが生まれたワケだ。“モータウン”ブームのあった今ならアメリカでも声が出たかも知れないが、その前からだから価値がある。やっぱイギリスのシーンは鋭いね。

じゃあ日本はどーなのか?というと、デビューして間もない駆け出しの女性シンガーに、あっさりスタンダードを歌わせちゃう。そりゃあソコソコ歌は上手いかも知れないけどさ、相手は20年、30年とタメ込んだ想いがあるワケよ。綾戸智絵が売れたのだって、そーゆーコトでしょ? 本物だからあのユニークなキャラが光る。なのにすぐ企画へ走るから、なんちゃってジャズって呼ばれるんだ、日本の若い連中は。策を弄するより、もっとやるべきコトをしっかりやって欲しいよね。

マイケルのこの素晴らしきモータウン集、間違っても映画の便乗企画と一緒にしないよーに!