Light Mellow on the web 〜 turntable diary 〜

音楽ライター:金澤寿和の音盤雑感記
This is Music Journalist : Toshi Kanazawa's Blog. Sorry for Japanese only.

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Crossover / Fusion

■ JAZZ HANDS / BOB JAMES

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ゼロ年代以降、アルバム制作ではティル・ブレナー、ネイザン・イースト、デヴィッド・サンボーン、ジャック・リー、松居慶子に、娘ヒラリー・ジェームスらとの共演作を連発。フォープレイが解散状態に陥ってからは、自身のピアノ・トリオでの活動が目立っていた感のあるボブ・ジェームス。そのボブが、ソロ名義のスタジオ・ソロ作としては『ALONE : KALEIDOSCOPE BY SOLO PIANO』以来10年ぶりとなるアルバム『JAZZ HANDS』を発表した。リリース元は香港ベースの新興レーベル Evosound。このレーベルからのリリースとしては、トリオの2作『ESPRESSO』 (18年)、『FEEL LIKE MAKING LIVE!』(22年) に続く3作目となる。

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■ THE DROP / JEFF LORBER FUSION

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先月、 BlueNote Tokyoでマイク・スターンとの共演ライヴを観たばかりのジェフ・ローバー・フュージョン。あれはコロナ禍で3年遅れてようやく実現した共演ライヴだったけれど、早くももうその2作あとのニュー・アルバムが届いた。『NOW IS THE TIME』というジェフ・ローバー・フュージョンとしての復活作から13年、9枚目のアルバム(グループ名義では通算14作目)。17年作『PROTOTYPE』がグラミー賞を受けたことも手伝ってか、コロナ期をモノともしない活動ぶりが見事だ。

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■ THE BRECKER BROTHERS BAND @ BLUE NOTE TOKYO

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ブレッカー・ブラザーズ・バンド・リユニオン@BLUE NOTE TOKYO3days の中日2nd Show。メンバーはランディ・ブレッカーに奥方アヴァ・ロヴァティ(sax)、バリー・フィナティ(g)、ジョージ・ウィッティ(kyd)、ウィル・リー(b)にロドニー・ホームズ(day)という布陣。2014年に名盤『HEAVY METAL BE-BOP』再現ライヴを川崎CLUB CHITTAで観たけれど、その時のリズム隊は当然テリー・ボジオとニール・ジェイスン。再結成とツアーを主導したのも、日本在住のボジオだった。でも実はその前年に、ランディが自分のリーダー作として『THE BRECKER BROTHERS BAND REUNION』を発表。プロデュースもウィッティが手掛けており、その時の参加メンバーが今回のバンドの中核になっている。その中ではやっぱり結成メンバーであるウィル・リー、アルバムには不参加だったものの14年公演、そして今回も同行しているバリー・フィナティの存在が嬉しい。

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■ CARLA BLEY passed away

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斬新かつ前衛的アプローチで高評価を得ていたジャズ・ピアニスト/作編曲家カーラ・ブレイ、生名ラヴェラ・メイ・ボルグが、17日、脳腫瘍の合併症によりニューヨーク州北部の自宅で亡くなった。ブレイ姓は、最初の夫であるジャズ・ピアニスト:ポール・ブレイから。フリー・ジャズ・ムーヴメントへの貢献が大きく、“フリー・ジャズの女王” とも称されたが、彼女の活動は本質的な意味でもっとフリー。ジャック・ブルースやニック・メイスン(ピンク・フロイド)との交流も深かった。享年87歳。

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■ LEE RITENOUR & DAVE GRUSIN @ Blue Note Tokyo

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リー・リトナー&デイヴ・グルーシンの共演ライヴ@ブルーノート東京、4daysの3日目2nd Show。リトナーは直前にEbisu Jamに出演し、渡辺香津美トリオともジョイントしていた。デイヴとも毎年のように来日しているけれど、サスガのデイヴも90歳目前。これはやはり元気なうちに観ておこうと。そもそもリトナーのライヴも、自分的にはかなり久しぶり。話に聞くところでは、来年早々にはブラジル録音の共演アルバムを発表する予定だそうで、そうしたカラーも織り交ぜられていたようだ。

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■ YUTAKA

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先月からレギュラー執筆を再開しているALFA MUSICのサイト内にあるALFA note のコラム、ALFA考現学(https://note.com/alfamusic1969/m/ma27804a4e38e)。 ALFAは時節柄シティポップ系アーティストが盛んにネタにされているけれど、ミュージシャン系は割とスルーされがち。なので『ALFA+アルファ〜リアル・クロスオーヴァー進化論』というタイトルを掲げ、カシオペアから執筆をリ・スタートした。ポイントは、クロスオーヴァーであってフュージョンではない、ということ。YMOだってデビュー当時はテクノなんて呼び名はなく、クロスオーヴァーの亜種として扱われていたのだからね。

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■ Jazz Bass Player:RICHARD DAVIS passed away

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ジャズ・ベースの巨匠リチャード・デイヴィスが亡くなった。デイヴィスの娘に拠れば、6日の午後、2年間のホスピス療養の末に逝去したとのこと。享年93歳だというから、大往生と言って良いだろう。リーダー作も多く、70年代はMuseレーベルを拠点に活動。サラ・ヴォーンのバック・バンドで頭角を現したのち、アーマンド・ジャマル、アンドリュー・ヒル、ミルト・ジャクソンなどのセッションに参加。とりわけエリック・ドルフィーとの活動は、彼の名声を高めた。

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■ MIKE STERN × JEFF LORBER FUSION @ Blue Note Tokyo

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コロナでスッカリ足が遠のいていたブルーノート東京へ超・久しぶりに。観たのは、マイク・スターン × ジェフ・ローバー・フュージョンの東京5デイズ、その初日2nd。コロナで中止されてしまった共演が、3年越しで実現されたのだ。予定通り20年に来日していたら、両者の共演作『ELEVEN』リリース後のちょうど良いタイミングだったが、世界的パンデミックでツアーに出られぬ状況に。結果ジェフ・ローバー・フュージョンは21年にもう一作『SPACE-TIME』を世に出している。今回の来日メンバーは、マイク・スターン (g) とジェフ・ローバー (kyd), ゲイリー・ノヴァック (ds), アドリアン・フェロー (b)、そしてマイクの奥様レニ・スターン (g, vo, ngoni)。ジェフ・ローバー・フュージョンのレギュラー・ベーシストであるジミー・ハスリップが同行していないのが残念だが、代役のフランス人プレイヤー:アドリアン・フェロー (Hadrien Feraud)がまた強力な人。ジョン・マクラフリンやチック・コリア、ビレリ・ラグレーン、リー・リトナー、ディーン・ブラウンらと共演。今月リリースされたばかりの上原ひろみ最新ユニット:HIROMI'S SONICWONDERのベースも、実はこの人だ。

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■ HE'S COMING / ROY AYERS UBIQUITY

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世間一般盆休み。近畿地方は台風直撃で、大きな災害にならないコトを祈るばかりだが、自分は自分でシッカリとライナー書き。ようやくピークは越えたけれど、まだまだ月内の締め切りが続いている。いま書いているのは、9月に【Light Mellow Searches】から出すマット・ビーズリーというヴィブラフォン奏者の初めてのフル・アルバム。この人、クラシックの英才教育を受けながらジャズに転向し、ピアノもドラムも作編曲も全部こなしてしまう天才肌の人。なおかつポール・ウェラーと意気投合して、それ以降インコグニートやブラン・ニュー・ヘヴィーズ、ジャミロクワイあたりのレコーディングやツアー・サポートも行なっているというクロスオーヴァーな御仁である。それでいて本業は俳優で、“音楽は初恋” なんて言っちゃう。そして作ったアルバムは、バリバリのカッコ良いクロスオーヴァー・アルバム。…とは言え、紹介するにはまだ早いので、彼が敬愛しているというロイ・エアーズのアルバムを。

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■ DREAM BOX / PAT METHENY

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2021年に『ROAD TO THE SUN』『SIDE-EYE NYC V1.IV』と2枚のアルバムを出したパット・メセニー、約1年半ぶりのニュー・アルバム。…といっても『ROAD TO THE SUN』は作曲家メセニーにフォーカスした変則的アルバムで、続くSide Eyeプロジェクトは、優れた新人ミュージシャンを発掘していくプロジェクト。…そういう意味では、自分が大好きだったパット・メセニー・グループ的ニュアンスのあった20年作『FROM THIS PLACE』以来か?と思いきや、どうもそれも違っているようで。

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■ WHERE HAVE I KNOWN YOU BEFORE / RETURN TO FORVER feat. CHICK COREA

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今日も今日とてユニバーサル・ジャズの定番シリーズ【ジャズ百貨店FUSION編】30作から。チョイスはリターン・トゥ・フォーエヴァー feat.チック・コリアの74年作『WHERE HAVE I KNOWN YOU BEFORE(銀河の輝映)』。リターン・トゥ・フォーエヴァー(RTF)としては、本来チックのソロだった『RETURN TO FORVER』(通称カモメ)から数えて4作目。ギターがビル・コナーズからアル・ディメオラにチェンジしてからは、初のアルバムになる。当時の日本盤LPの表記は、2ndからの流れで “チック・コリア&リターン・トゥ・フォーエヴァー”。でも今回の【ジャズ百貨店】での表記は、単純に“チック・コリア”。どういう根拠なのか、よく分からん。仮に今回のラインナップにチックのソロが入っているので、一緒にしちゃえ!ということなら、かなり乱暴だよな。ちなみに米コロムビア移籍後は、そのチックの冠が取れて、シンプルに“リターン・トゥ・フォーエヴァー” になる。世代的に一番馴染みのある76年作『ROMANTIC WARRIOR(浪漫の騎士)』は、その時代のアルバムであった。

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■ NIGHT - LINES / DAVE GRUSIN

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引き続きユニバーサル・ジャズの定番シリーズ【ジャズ百貨店FUSION編】30作より。今回のピックアップは、デイヴ・グルーシンの84年作『NIGHT LINES』。映画音楽では巨匠の域のヒトだけれど、リーダー作は極めて少なく、クロスオーヴァー/フュージョン路線では『MOUNTAIN DANCE』や『OUT OF THE SHADOW』に続いてまだ5作目。他にGRPオールスターズとか NY-LA ドリーム・バンドの日本公演ライヴとかあるが。グルーシンといえばGRPの"G"、レーベル創設者でもあるけれど、アリスタ傘下から離れて独立レーベルとして稼働し始めたのが83年からだから、コレは彼が新生GRPから出した初のスタジオ・ソロ作に当たる。

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■ JUNGLE FEVER・HIGH GEAR / NEIL LARSEN

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昨日に続き、6月末に再発されたユニバーサル・ジャズの定番シリーズ【ジャズ百貨店FUSION編】30作から、キーボード奏者ニール・ラーセンの超名盤『JUNGLE FEVER』(78年)と『HIGH GEAR』(79年)を2枚セットで。自分の世代だと、何を今更…、というくらいのフュージョン系ド定番だけど、ソロ・アーティストとしてのその後の活動はかなり地味。この最初の2作だけが突出した完成度を誇っている。現在だとアナログ復刻されたフルムーン、AOR好きにはフルムーンの進化形であるラーセン=フェイトン・バンドがあるものの、キーボード奏者としてのステイタスを象徴するのは、やはりこの2枚だ。

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■ SOUTHERN COMFORT / THE CRUSADERS

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いろいろと目新しいブツは届いてますが、マトモに聴いてる時間がない。なので、改めて聴かずとも、あるいはBGM的に流すだけでイメージが湧くあたりから。で、目についたのが、6月末に再発されていたユニバーサル・ジャズの定番シリーズ、ジャズ百貨店のFUSION編30作。でも、ぶっちゃけ、何なの この中途半端なセレクト? 1枚1枚の作品はまごうことなき名盤の数々だけど、たった30枚なのに、ラインナップの意図がまったく見えてこない。ただ売る側の都合というか、現在の取り扱い状況からのチョイスかしらね? こういうカタログ再発は見せ方が重要なのに…。特にユニバーサルは外資系メジャー3社でフュージョン系アイテムが最も豊富なのに、逆に一番情けない状況に落ち込んでいる。もっともそれは日本サイドではなく、インターナショナルなカタログ本部の事情があるようだけど。だから今も未CD化の山が解消せず、同じタマの出し直しばかり続く。確かに、08年に起きた米ユニバーサル・スタジオ・ハリウッドの倉庫火災の影響があるやもしれないが、そこは知る由もない…。

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■ SRT feat. John “J.R.” Robinson @ Billboard Live Tokyo

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クインシー・ジョーンズやデヴィッド・フォスターのサウンドを支えた世界的名ドラマー:ジョン "JR" ロビンソンが新たに結成したグループ:SRT 〜シノウィック・ロビンソン・トウン(Synowiec Robinson Towne)。デビュー・アルバム・リリースのタイミングで、早々に日本ツアーへやってきた。かなり唐突な来日で、CDリリースと来日がセットでの展開。新バンドにしては異例のパターンと言えるが、既にBillboard Live 大阪・横浜でのショウを消化し、Billboard Live東京で最終公演。その2nd ショウを観てきた。

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■ GEORGE WINSTON, new age piano player Passed away

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訃報が続きます。ニューエイジ・ミュージックの牽引役だったピアノ奏者ジョージ・ウィンストンが4日、眠ったまま静かに息を引き取った。彼はこの長年ガンと戦い続け、13年には骨髄異形成症候群(MDS)克服のため骨髄移植。その後も治療を受けながら、音楽制作を継続させ、ライヴ活動も行なってきた。また全米の飢餓危機と戦うためのチャリティ・コンサートにも積極的に取り組んでいたことで知られる。享年73歳。

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■ Arranger, conductor DON SEBESKY passed away

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5月に入ったというのに、いきなり訃報スタート。作編曲家・指揮者として活躍したドン・セベスキーが、4月29日、ニュージャージー州メイプルウッドで亡くなった。脳梗塞後にパーキンソン病を発症し、闘病していたという。享年85歳。セベスキーはロンドン交響楽団、シカゴ交響楽団、ボストン・ポップス、ニューヨーク・フィルハーモニック、ロンドン・ ロイヤルフィルハーモニック、トロント交響楽団など、数々のオーケストラと共演。ブロードウェイ・ミュージカルや映画のサウンドトラックなどで活躍してきた。グラミーは30回以上のノミネートで3回受賞。トニー賞でもベスト・オーケストレーションを受けている。

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■ IVAN “Mamao” CONTI of AZYMUTH passed away

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連日の訃報が今度はブラジルから。レジェンダリーなジャズ・フュージョン・グループ:アジムスのドラマー、イヴァン・コンチ(Ivan “Mamao” Conti)が、17日に亡くなった。所属している英レーベルFar Out Recordings及び、インスタグラムでは妻と娘が公表している。現時点では死因は明らかにされてはいないが、今年夏には結成50周年のワールド・ツアーに出ることがインフォメーションされていたので、急病だった可能性が高い。享年76歳。

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■ AHMAD JAMAL passed away

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ヒップホップのサンプリング・ソースとして数多くのアーティストに使われてきたジャズ・ピアノの巨匠アーマッド・ジャマルが、現地時間16日、マサチューセッツの自宅で亡くなった。娘によると、前立腺ガンを患っていたという。享年92歳。70年以上も現役として活躍し、ピアノ・ソロからジャズ・トリオ、弦楽四重奏団との共演など、幅広い作風で70枚以上のアルバムを残している。2017年にはグラミー生涯功労賞を受賞。

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■ SPENDEL

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ドイツのジャズ・レーベル L+R のリイシュー ・プロジェクトからの1枚。スペンデルことクリストフ・スペンデルはポーランド出身、ドイツを拠点に活動しているキーボード奏者で、76年にJazztrackなるバンドでデビュー。翌年、弱冠22歳でソロ・ピアノのアルバムを出し、バンドと併行させる形でソロ活動を始めている。そして80年代に入ると、自己名義のグループを率いるようになり、デュオ、トリオ、そしてバンド編成とスタイルを変えながらコンスタントに作品発表。かなり天才肌のミュージシャンとお見受けする。

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