Light Mellow on the web 〜 turntable diary 〜

音楽ライター:金澤寿和の音盤雑感記
This is Music Journalist : Toshi Kanazawa's Blog. Sorry for Japanese only.

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Progressive Rock

■ IN THE WAKE OF POSEIDON / KING CRIMSON

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前回ポストでご紹介した、レコードコレクターズ誌2月号の特集『この曲のピアノを聴け! ロック/ポップス編』。自分もそこに参加しておきながら、実際に届いた本を見て、虚を突かれた思いだったのがコレ、キング・クリムゾンの<Cat Food>。69年のデビュー作にして歴史的名盤『IN THE COURT OF CRIMSON KING(キング・キリムゾンの宮殿)』の陰に隠れ、相当に分の悪い2作目だけれど、普通に聴けば充分にプログレ名盤。一般的に前作路線の踏襲として片付けられるものの、ロバート・フリップにしてみれば、脱退を表明したイアン・マクドナルドに「自分が抜けるから、君がバンドを引き継げ」と言ったほどの労作ではあったのだ。

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■i/ o / PETER GABRIEL

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純粋な新録スタジオ・アルバムとしては22年ぶりとなるピーター・ガブリエルのニュー・アルバム『i/ o』 (読みはアイ・オーで、input output の意)。今月1日に発売されたが、ミックス違いのCD2枚組というへヴィーな内容に対し、なかなかジックリ聴く時間が取れずにいて、仕事部屋で聴いたり、クルマで聴いたり、移動の電車でサブスクを聴いたり…。繰り返し聴いて、ようやく自分の中で腑に落ちた気がしたので、ちょっとココに書いておくことにした。もっと深く聴き込めば、いろいろ印象が変わってくるトコロが出てくるだろうけど、まぁ、それはそれ、ということで…。

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■ WET DREAM -2023 Remix- / RICHARD WRIGHT

richard wrightrichaard wrigh_wet dream

某誌にレビューを書いたので、コチラでは角度を変えて。ネタにしたのは、ピンク・フロイドの創設メンバー:リチャード・ライト(kyd)が78年に発表した初ソロ・アルバム『WET DREAM』の2023年リミックス盤。リック本人は08年に亡くなっているが、生誕80年というアニヴァーサリー・リリースでもあるようだ。初CD化されたのは93年。しかし今までずーっとリマスターされておらず、放っておかれた感が強い。今回リミックス盤でアートワークまで一新したのは、イメージ刷新の意図があったのかな? リミックスを手掛けたのは、お馴染みスティーヴン・ウィルソンで、CD、カラー・ヴァイナル、ドルビー・アトモスと5.1chミックス収録のBlu-rayという3種類のフィジカルが発売されている。旧デザインは中に入っているブックレットに。

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■ RIO / TREVOR RABIN

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これはもう、アナザー・イエスと言ってしまってイイのではないかな? <Owner Of A Lonely Heart>でお馴染み、"80125"イエスを主導したトレヴァー・ラビンの、6作目のソロ・アルバム『RIO』が6日にリリースされる。94年のジャパン・ツアー終了後イエスを脱退したトレヴァーは、元々のマルチ・ミュージシャンぶりを存分に発揮して、映画音楽の世界で成功。50本以上のサウンドトラックを手掛けてきた。偶発的に作ったソロ前作『JACARANDA』(12年発表)も前編インストゥルメンタルで、トレヴァー自身はジャズ・アルバムと位置付けている。そうした意味で、ヴォーカルをフィーチャーした本格的ソロ作としては、イエス在籍中の89年にリリースした『CAN'T LOOK AWAY』以来34年ぶりだ。

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■ UK Jazz Rock Drummer:JOHN MARSHALL passed away

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カンタベリー・ロックの中央に鎮座し、英国ジャズ・ロック・シーンに多大な足跡を残したソフト・マシーンのドラマー:ジョン・マーシャルが、9月16日に南ロンドンになる自宅で逝去した。享年82歳。7月にリリースされたばかりのソフト・マシーン最新作『OTHER DOOR』制作中、終盤に体調を崩したことから引退を決意。レコーディング終了後の昨年6月、ロニー・スコッツで行われたクラブ・ギグが最後のライヴになったという。

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■ MIRROR TO THE SKY / YES

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前作『THE QUEST』から1年7ヶ月ぶり、通算23作目となるイエスの新作。2015年に最後のオリジナル・メンバー:クリス・スクワイアーが亡くなったのに続き、クリスに次いで長く在籍していたアラン・ホワイトも昨年逝去。出戻りのスティーヴ・ハウがイニシアチヴを握るようになっての2作目になる。でもコレがかなりイイ。個人的には、90年代以降に発表した作品群で、一番シックリ来た。近年のイエスにしては短かいインターヴァルでのリリースなのも、2作連続で2枚組みたいなサイズ感なのも、今の彼らが乗っている証拠だろう。

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■ JOHN GIBLIN session bass player in London, passed away

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英国の敏腕セッション・ベーシスト:ジョン・ギブリンが、14日、英南西部グロスター州にある温泉保養地として有名なチェルトナムで亡くなった。しばらく闘病生活を送っていたという。享年71歳。エレクトリックとウッド・ベース、双方を弾きこなし、とりわけフレットレス・ベースの名手として広く知られ、日本人アーティストのセッションにも数多く参加していた。

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■ THE DARK SIDE OF THE MOON - LIVE AT WEMBLEY 1974 / PINK FLOYD

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『DARK SIDE OF THE MOOM(狂気)』50周年というコトで、世間ではCDやらアナログやら書籍やらのリリースでお祭り状態。正直、何を今更…ではあるのだが、ほぼほぼリアルタイム世代としては、どうしたって気になるワケで。でもサスガに5万円もする50周年ボックスには手が出ず、何はともあれ切り売りされる『狂気:ライヴ・アット・ウェンブリー1974』をポチリ。でもよく考えたら、コレって2011年に出た『Dark Side Of The Moon : Immersion Boxset(コレクターズ・ボックス)』にまるっと入っていたのよね。今回のは、そのニュー・ミックス・ヴァージョン。一瞬ヤラレた、と思ったが、既発表を表に出してないのは、 Immersion Boxのリリース元が当時のEMI、現在はソニーというオトナの事情があるのかね。とはいえコチラもこの12年間、どデカイ箱に入っていて出すのが面倒で、ホンの数える程しか聴いていなかったから仕方ない、と気を取り直して。

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■ BBC BROADCASTS / GENESIS

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ようやく確定申告が終了。エッ もうとっくに過ぎてるじゃん、と思われるだろうが、我々物書きの原稿料は、あらかじめ源泉徴収されて振り込まれるので、通常は確定申告=還付請求になる。これには5年間の有効期限があるだけで、確定申告期限の限りに非ず。ただこの時期に申請すると、4〜5月の各種納税に待ち合うタイミングで還付されるから、毎年 確定申告時期を大きく外さないように処理している。それにしてもCDリリースが減り、音専誌も少なくなり…で、原稿収入もだいぶ減ってきてますな…

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■ YES

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イエスの初期〜最盛期の作品群が、 【紙ジャケット・コレクション最終章〜MQA-CD/UHQCDエディション】として年末にドカッと再発されているワケですが…。でも多いモノは、CDだけで5〜6枚の仕様違いを持っている身としては、もうとっくにお腹イッパイ。今回はスルーしようと決心した。なのにこのデビュー盤が日本盤アナログ初回リリースのデフ・ジャケ仕様だと知って、完全に心が揺らいでいる。自分が持っているのは、全部、左の吹き出しジャケなんだよなぁ…。コレ1枚だけゲットしようかなぁ〜。でも間違いなく聴かねぇだろうしなぁ…

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■ ROBIN LUMLEY of Brand X passed away

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英国プログレやジャズ・ロック・ファンに悲しいニュース。フィル・コリンズやパーシー・ジョーンズと共にブランドXを結成したキーボード奏者ロビン・ラムリーが亡くなった。彼は元々小さな手術を予定していて、いま住んでいる英国デヴォン州デリフォードの病院に入院していたところ、9日午後に心不全を起こして急逝したとのこと。バンドの公式サイトが明らかにしている。入院中のロビンは至って元気で、素性を知った看護師たちからサインを求められ、気軽に応じていたらしい。享年74歳。

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■ TORMATO / YES

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来年初めに出る某音専誌の、ある特集の記事執筆に絡んで、イエスの78年作『TORMATO (トーマト)』。イエスは年末に【紙ジャケット・コレクション最終章】と題して、MQA-CD / UHQCDエディションで主要13作がリイシューされるのね。自分はもう紙ジャケだけで2セット、それに代表作の輸入盤マルチ・エディションを持っているので、さすがにスルー決定。ただ今回は日本盤オリジナルLP復刻が売りなので、デフ・ジャケの1stアルバムにはソソられるなぁ〜。どうしよう…

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■ ANIMALS - 2018 REMIX - / PINK FLOYD

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ピンク・フロイドの77年作『ANIMALS』のニュー・リミックス盤をゲット。2022ではなく2018 Remix とあるのは、ずーっとフロイドのリマスターを手掛けていたジェイムス・ガスリーがこの年にリミックス作業を完了させたのに、デヴィッド・ギルモアとロジャー・ウォーターズの確執から4年間も発売延期になっていたためとか。あ〜、アホらし。それでもニュー・ヴァージョンを聴くと、グイグイと引き込まれてしまう自分がいる。

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■ THE MYTH OF THE MOSTROPHUS 〜神獣伝説〜 / 奥本亮

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あぁ、自分ももう口から火でも吹きたい気分。ライフワーク的なディスクガイド『AOR Light Mellow Premium 02』の入稿締め切り目前なので、仕方ないと言やぁそうなのだが、他にもレコーディング案件やら、監修案件やら、大きめの仕事がテンコ盛りで、軽くパニック状態。行きたいライヴも諦めたり、うっかり忘れていたりで、かなりストレスフル。そういう時に聴きたくなるのは、やっぱりハード・ロックとかプログレなんだな。

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■ FROM THE NEW WORLD / ALAN PARSONS

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アラン・パーソンズ・プロジェクトと混同されるが、アラン・パーソンズのソロ名義では『THE SECRET』(当時のポストはココから)以来、3年ぶり6作目となる『FROM THE NEW WORLD(新世界より)』がリリースされた。『THE SECRET』は、引退示唆などを挟んでの十数年ぶりのカムバック作品で、復活したら いきなり大規模ツアーとシンフォニー共演、そしてそれぞれのライヴ映像作を出すというアクティヴさ。そうこうするうちにこのニュー・アルバムなので、70歳代になって最後の荒ら稼ぎかいッなんて思ったりするが、まずはアラン、元気そうで何より。

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■ CLOSURE / CONTINUATION / PORCUPINE TREE

porcupine tree

連日のブラック系ご紹介から、一気に重厚なネオ・プログレへ。最近はミュージシャン/シンガーというより、もっぱら英国系大御所バンドの再発リミックス・エンジニアとして名前を見ることが多かったスティーヴン・ウィルソン率いるポーキュパイン・ツリー、13年ぶりのニュー・アルバム『CLOSURE / CONTINUATION』が素晴らしい。

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■ LIVE AT THE BUDOKAN TOKYO 1983 /ASIA

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エイジアの1983年12月の来日公演ライヴ@日本武道館、『LIVE AT THE BUDOKAN TOKYO 1983 』=『ASIA IN ASIA』のボックス・セット(Blu-ray+ 2CD)をゲット。この時の武道館公演2デイズのうち、2日目の12月7日のライヴがMTVの生中継で全米にオンエア。それゆえ『ASIS IN ASIA』のタイトルが生まれたワケだが、その模様は後にレーザー・ディスク化され、ヴィデオでも市販された。ライヴ・アルバムにはならなかったが、映像・音源ともにブートでは定番化。少し前にもハーフ・オフィシャルのCDが出回っていたので、この時の武道館に足を運んだ者として、思わず買いそうになった。が、グッとこらえて大正解。今回はエイジア・ヘリテッジというオフィシャル・チームの企画で、スティーヴ・ハウ監修、アートワークはお馴染みロジャー・ディーンによる書き下ろしになっている。日本で制作されたボックスには、当時のパンフレットとチケットのレプリカも付属。自分には不要だけど(パンフは本物あるし…)、まぁ 至れり尽くせり。

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■ ALAN WHITE as Drummer of YES has passed away

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深夜、日付が変わって間も無く飛び込んできた訃報は、イエスのアラン・ホワイトの逝去を伝えるもの。5月26日、シアトル近くの自宅で亡くなったらしい。先日『危機』50周年のジャパン・ツアー決定の報に触れたと思ったら、その後すぐに、アランが体調不良によりツアーには不参加、との告知。元々アランは2016年頃から背中や腰を痛めてマトモにドラムを叩けず、代役ジェイ・シェレンを帯同。19年の来日公演も本編はシェレンが叩き、アンコールにだけ登場した。それと今回の急死に関係があるかどうかは不明ながら、家族や関係筋は “短い闘病生活の末”、と表現しているので、直接的な関係性は薄いのかもしれない。享年72歳。

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■ VANGELIS passed away

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vangelis

『BLADE RUNNER』や『CHARIOTS OF FIRE(炎のランナー)』など、数々の映画音楽で有名なギリシャの作曲家・シンセサイザー奏者ヴァンゲリス(Vangelis)が、5月17日、パリの病院で逝去。新型コロナに罹患し、治療を受けていたという。享年79歳。『炎のランナー』のテーマ曲は全米No.1ヒットになり、1982年のアカデミー賞で作品賞とオリジナル作曲賞を受賞。この曲は1924年に開催されたパリ五輪の陸上選手の物語を映画化したものだったが、ヴァンゲリス自身がオリンピックに縁深く、2000年のシドニー五輪閉会式で音楽監督を務め、オーストラリアからギリシャへオリンピック旗を引き継ぐ際の音楽を担当。当然のように04年アテネ五輪でも公式に音楽の一部を手掛けている。2002年 FIFAワールドカップの公式アンセムのほか、バレエ音楽や舞台音楽などの仕事も多い。

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■ 『カンタベリー・ロック完全版』にまつわる雑感

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先月の発刊以来、自分のすぐ脇に置いて、仕事の合間にチラ見しながら音を聴いたりしていたカンタベリー・ロック本。今もそのパターンは続いているが、企画元の和久井光司さんはもう次の本に向かってらっしゃるので、その前に書いておこうと。それにしても和久井さん、その都度チームを組んで動いているとはいえ、1年に何冊の本を作っているのだ? こちとら1年以内に1冊出す予定が、1年半経ってもようやく先が見えてきたところだというのに…

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