Light Mellow on the web 〜 turntable diary 〜

音楽ライター:金澤寿和の音盤雑感記
This is Music Journalist : Toshi Kanazawa's Blog. Sorry for Japanese only.

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棚からpick!

■ WATCHING THE SNOW / MICHAEL FRANKS

michael franks_watching the snow

あぁ〜、オレもまだまだ、もっともっと精進しないと…、なんて思わせられる事柄あり。イベントなんぞに出ると、ありがたくも「先生、先生」と慕って声を掛けてくれる方が少なくないが、「その呼び方はヤメれ〜」とお願いしている。クリティカルな目線は少し上から俯瞰する形を取ってはいても、アティチュードは一人の音楽ファンであるべき、というのが自分の信条。でもネット社会では、自分の専門ジャンル界隈であっても、「とてもお詳しいんですね〜」などと言われてしまうコトがある。約25年、音楽ライター稼業をやってきて、「アンタ、CD解説とか読まんの!? 」と思うが、ネット世代は目の前に降りてきた情報しか仕入れようとしない。探求心に乏しいから、深掘りする面白さを知らず、音楽を単なる情報としてしか見ない。だからイントロ不要、ギター・ソロは要らねえ、なんて暴言がはびこる。それらが積み重なって、良質な音楽シーンが衰退していくのだ。でもクサビを打ちたくても、しがないライター風情はジタバタと、小さくてもできるコトをやっていくしかないのだな…。

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■ DANE DONOHUE

dane donohue

明日26日はこんなDJイベントに引っ張り出されているので、何を掛けようかと思案しつつ、そのノリでコレ、久しぶりにデイン・ドナヒューをレコ棚から…。自分がP-VINEからお届けしている【Light Mellow Seaches】でお馴染み:Page 99が先般、先行デジタル・リリースした2曲の新曲(1曲はリレコ)に、デイン・ドナヒューのヴォーカルがフィーチャーされていて、結構ビックリしたのだ。何せ、 78年にワン&オンリーのAOR名盤を発表したきり、約45年もほとんど表舞台に顔を出していないヒト。年齢的にも70歳代半ばなので。

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■ PRONE / NED DOHENY

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11月になりました! 5年ぶりとなるネッド・ドヒニー@Billboard Live Tokyo / Osaka が目前。少し前までは日本でしか知られていない存在だったネッドだが、ヨット・ロック・ブームで世界的に知名度が高まり、若手ミュージシャンやDJ諸氏への影響力増大。日本では代表作『HARD CANDY』(76年)に、ボズ・スキャッグスのAOR歴史的名盤『SILK DEGREES』を上回るほどの評価が集まる傾向が見られた。

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■ LAY IT ON ME / GABE DIXON

gabe dixon

午前中から都内に向かい、来月からスタートするシティポップ系のセミ・レギュラー・ラジオ番組の初収録。そして夕方から別件ミーティング。番組の方は既にスタートしていて(週1オンエア)、メイン・パーソナリティーの女の子(25歳とか)が別におり、自分は奇数月のコメンテイターとして登場。これは近くなったら改めてお知らせします。

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■ NO LOOKIN' BACK / MICHAEL McDONALD

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トラブル勃発。ホントは某ベテラン・バンドの周年ライヴに出掛ける予定が、その直前トラブルで処理に追われ、ライヴの方は泣く泣く断念せざるを得なかった。こういう時、自分を取り戻すのにちょうどイイのは、やっぱりAORなんだな、自分の場合。

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■ YUTAKA

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先月からレギュラー執筆を再開しているALFA MUSICのサイト内にあるALFA note のコラム、ALFA考現学(https://note.com/alfamusic1969/m/ma27804a4e38e)。 ALFAは時節柄シティポップ系アーティストが盛んにネタにされているけれど、ミュージシャン系は割とスルーされがち。なので『ALFA+アルファ〜リアル・クロスオーヴァー進化論』というタイトルを掲げ、カシオペアから執筆をリ・スタートした。ポイントは、クロスオーヴァーであってフュージョンではない、ということ。YMOだってデビュー当時はテクノなんて呼び名はなく、クロスオーヴァーの亜種として扱われていたのだからね。

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■ ライブ・はっぴいえんど

はっぴいえんど LIVE

『ライブ!! はっぴいえんど』50周年。東京・文京公会堂で『CITY - Last Time Aroud』が開催されたのは、1973年9月21日(金)だった。出演者は、この日がラスト・ライヴとなる はっぴいえんどを中心に、大瀧詠一とココナツ・バンク、ムーンライダーズ、西岡恭蔵、布谷文夫、南佳孝、吉田美奈子と、いずれも はっぴいえんど周辺のバンド、アーティストたち。

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■ TIMELESS / BURT BACHARACH

burt bacharach boxburt bacharach box booklet

今井優子のサポート業務で、某スタジオにてイベント・リハ。帰宅して、執筆参加させてもらったレコードコレクターズ誌9月号の特集『バート・バカラックの名曲を聴く』を読みながら、いつしか寝落ちしてしまった。で、ふと目を覚まし、編集部に楽曲リストを送る時に参考にしたこのボックスを取り出して…。画像では、何の変哲も無い白地に青いBの字に見えるけれど、実際はザラ目で高級感があり、Bの字の左にエンボスのbの字が浮き出している。しかも半分 上にズレているから、bと♭を掛けているのだろう。右隣は中に入っているブックレット。

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■ HE'S COMING / ROY AYERS UBIQUITY

roy ayers_h's coming

世間一般盆休み。近畿地方は台風直撃で、大きな災害にならないコトを祈るばかりだが、自分は自分でシッカリとライナー書き。ようやくピークは越えたけれど、まだまだ月内の締め切りが続いている。いま書いているのは、9月に【Light Mellow Searches】から出すマット・ビーズリーというヴィブラフォン奏者の初めてのフル・アルバム。この人、クラシックの英才教育を受けながらジャズに転向し、ピアノもドラムも作編曲も全部こなしてしまう天才肌の人。なおかつポール・ウェラーと意気投合して、それ以降インコグニートやブラン・ニュー・ヘヴィーズ、ジャミロクワイあたりのレコーディングやツアー・サポートも行なっているというクロスオーヴァーな御仁である。それでいて本業は俳優で、“音楽は初恋” なんて言っちゃう。そして作ったアルバムは、バリバリのカッコ良いクロスオーヴァー・アルバム。…とは言え、紹介するにはまだ早いので、彼が敬愛しているというロイ・エアーズのアルバムを。

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■ FRIENDS / DIONNE WARWICK

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某音専誌の追悼特集準備で、バート・バカラック関連の楽曲を聴き漁り。でも自分にバカラック名曲選のセレクトを依頼してくるということは、どういうコト? もちろん他にも選者がいるが、まさか自分にハル・デヴィッドとの名コンビの時代、すなわちセプター時代のディオンヌ・ワーウィックとかB.J.トーマス、カーペンターズあたりのピックアップなんて期待していないだろう。…というコトは、やっぱりキャロル・ベイヤー・セイガーとの蜜月時代とか、ハル・デヴィッドと書いた名曲群の80年代以降のカヴァーとかがメインだよなぁ。

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■ THE DIARY / HI FI SET

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午後イチ打ち合わせから、家に戻って執筆仕事。ちょっとスケジュールが詰まってきたので、軽く聴き流せるハイ・ファイ・セット、77年の第4作『THE DIARY』を。実はチョッと打ち合わせのハナシの内容とも絡んでいるんだけど、やっぱりハーモニーって物凄く重要。音楽とはメロディ、リズム、ハーモニーこそが三大要素であって、歌詞はその次。ヴィジュアルやダンスは単なる添え物。達郎さんも最新インタビューで言ってるじゃない? 「人間が消えて音だけになるのが、僕にとっての音楽の理想形」って。ストーリーやダンスを取り入れるのは決して悪いコトじゃないけど、もし音楽のクオリティが下がってしまったり、音楽が物語に従属してしまうなら、それは本末転倒なのよ。

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■ SUNSHOWER / 大貫妙子

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今回は坂本龍一トリビュート。世間では、まず日本人初のアカデミー作曲賞を受賞した『ラスト・エンペラー』のサントラが最初に来て、次に『戦場のメリークリスマス』とYMO。ま、それは正しいんだろうけど、自分にとっての坂本龍一は、作曲家・音楽家である以前に、キーボード奏者でありアレンジャー。その最初期の作品が、大貫妙子の2ndソロ『SUN SHOWER』や、りりィのバイバイ・セッション・バンドとして臨んだ『AUROILA』だった。

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■ TIME AD TIDE / ROBBIE DUPREE

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ロビー・デュプリーといえば、オウム返しに<Steal Away>。そしてそれが入っている80年のデビュー盤『ROBBIE DUPREE(ふたりだけの夜)』。それはもちろん間違いではないけれど、それだけで片付けて欲しくはないと、この08年盤『TIME & TIDE』を。一応オリジナル・スタジオ・アルバムとしては6枚目で、現時点では一番新しいフル・アルバムになる。これ以降のロビーは、残念ながらシングル盤かデジタル・シングルしか出してない。

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■ はらいそ / 細野晴臣

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シティポップ系の書きモノの絡みで、いわゆる “サヴァンナ・バンド歌謡” なんて呼ばれるあたりに思いを巡らせていて。最近も土岐麻子や角松敏生がエルボウ・ボーンズ&ザ・ラケッティアーズ<A Night In New York>をカヴァーしていたが、リアルタイムはストレートにカヴァーするんじゃなく、影響とか引用とかパクリとか…。当時の名のあるアレンジャーなら、必ずそれっぽいコトをやっていたけど、一番ハマっちゃってたのが加藤和彦。竹内まりやのデビュー曲<戻っておいで 私の時間>(78年)あたりがその最初かと思うけど、いろいろトライ&エラーを繰り返しつつ、若き日の坂本龍一や清水信之を起用して、それをシンセ・オーケストラで再構築していく。トノバン自身は『GARDINIA』で、和製ボサノヴァに傾倒。そこにサヴァンナ・バンドの影響が入ってくれば、『パパ・ヘミングウェイ』(79年)になるのはよく分かる。そのサヴァンナ・バンドの影響を、ひと足早くコンセプト化してアルバムにしちゃったのが、実はサディスティックスの1st(77年)。そして作品化は少し遅れるのだけれど、おそらく真っ先に自分のサウンドに取り込もうとしていたのが、細野晴臣だったのでは?と思う。

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■ MY TIME / BOZ SCAGGS

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このところ、AORのルーツについて思い巡らすコトがあったので、改めてボズ・スキャッグス。AORの原点が76年作『SILK DEGREES』だったとしても、そのルーツはもっと前にあったワケで。元々スティーヴ・ミラー・バンドに参加したり、ヨーロッパを放浪していた時期のボズは、R&Bやフォーク・ブルースを演っていて、北欧で出した1stやデュエイン・オールマンとのアトランティック盤は、その路線だった。その後71年に大手CBSと契約し、『MOMENTS』でシンガー・ソングライターとして再デビュー。CBS2作目『BOZ SCAGGS & THE BAND』ではグリン・ジョンズ制作でスワンプ路線思考を強めるも、あまりシックリ来なかったのだろう。再び軌道修正し、セルフ・プロデュースで発表したのが、この72年作『MY TIME』になる。

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■ PREACHER MAN / THE IMPRESSIONS

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あるライナーの執筆がらみで、久々にインプレッションズ。ただしカーティス・メイフィールドは抜けた後が作品で、後釜のリロイ・ハトソンも既に独立。故にこの『PREACHER MAN』(73年)は、グループ初期からのメンバーであるサム・グッデンとフレッド・キャッシュの2人だけがメンバーとしてクレジットされている。ただしカーティスはサポート参加。…とはいえ、前作『TIMES HAVE CHANGED』みたいにプロデュースや楽曲提供を行なっているワケではなく、右腕のリチャード・トュフォがイニシアチヴを握っているのが特徴だ。

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■ EXTENSIONS・MECCA FOR MODERNS / THE MANHATTAN TRANSFER

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結成50周年を迎えたマンハッタン・トランスファーが、 ビッグ・バンド編成に拠るファイナル・ワールド・ツアーで来日。28日から、すみだトリフォニー・ホールとブルーノート東京で4日間のべ7公演を行なう。4人のメンバーは、ワールド・ツアーの一環としてバック・バンド4人を伴って来日。日本からは、エリックミヤシロ・本田雅人・中川英二郎・庵原良司らを含む十数人のホーン・セクション(一部日替わり)が迎え撃つ。気がつけば、昨年秋にオーケストラとの共演作『FIFTY』をリリースしていたようで…。創設者ティム・ハウザーが2014年に亡くなってからは、トリスト・カーレスが後任を務めている。

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■ JUST LIKE THAT... / BONNIE RAITT

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今の音楽シーンで何が起きているのか。それを知っておく程度にしか、米国のヒット・チャートに興味を失くしてしまった昨今。2022年のグラミー賞発表と言っても、以前みたいにWOWOWの生中継にしがみつくことはなく、夜のダイジェスト放送もツマミ見る程度で。一番オ〜ッと思ったのは、この1年で亡くなったアーティストや業界人たちの追悼コーナーで、Yukihiro Takahashiが登場したことかな…

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■ ALIVE / KENNY LOGGINS

kenny loggins alive

ケニー・ロギンスがファイナル・ツアー『THIS IS IT』の北米スケジュールを発表した。エリック・クラプトンあたりと同様、ライヴ活動からの引退ではなくて、大規模ツアーはもう演らない、というコトだと思うけど、やはり一抹の寂しさは拭えない。AOR系ソロ・シンガーでは極めて数が少ない、本当に素晴らしいライヴ・エンターテイメントを提供できる人だったから。AOR系アクトはレコーディングでは著名ミュージシャンを起用して緻密な作品を作るから、どうしてもライヴが弱くなる。実際 優れたライヴ・アルバムもほとんどないし。でもケニーは別次元。80年リリースのこの『ALIVE』なんて、ホント、AOR系シンガーのライヴ・アルバム最高峰の一枚だと思っている。

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■ THE ROYAL SCAM / STEELY DAN

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「スティーリー・ダンをAORなんかと一緒にするな
AORの何たるかを語る時、歴史的に一番早くにその壁にぶつかったのがスティーリー・ダンだろう。このような罵声を浴びせる人の多くは、70年代クラシック・ロックの幻想に縛られ、アーティストに精神性やアティチュード、メッセージ性を求めたがる。彼らにしてみれば、カーペンターズやバート・バカラックなんて、金持ちや女・子供が聴く音楽、そんな古い意識だろう。でも今じゃ立派に差別用語だ かく言う自分だって、芯の芯は70年代ロック育ちだから、その気持ちも理解はできる。でも時は既に50年後。未だにそんなコトを言ってたら、ジジババ扱いされて当然だ。

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