インコグニートの40年に及ぶキャリアを総括した、豪華CD8枚組ボックス・セット。自分が初めてインコグニートを知ったのは、81年のコンピレーション『SLIPSTREAM - The Best Of British Jazz-Funk』。サブ・タイトル通り、当時ロンドンで注目され始めたブリティッシュ・ジャズ・ファンクの新鋭グループを集めた2枚組で、シャカタク、レヴェル42、セントラル・ライン、モリッシー・マレン、フリーズ、ライト・オブ・ザ・ワールドなどをココで知った。もちろん、シャカタクが大ブームになるより前。どのバンドもデビューするかどうかのタイミングで、このコンピで初レコーディング、なんてバンドもあったと記憶する。そして前述のようにココから大きく羽ばたいた連中もいれば、早々に消えたバンドもいた。
オランダの人気ジャズ・ファンク・バンド、トリスタン最新作が到着。カナザワ的には日本デビュー前から目をつけていた連中で、ほぼコンスタントに日本でもリリースがある。そうして彼らを知る人の間では かなり人気が高いのだが、プロモーションが行き渡らないのか、その輪がなかなか広がらない。17年の来日も喜び勇んで観に行ったが、“オランダのインコグニート” などと称されている割りには、集客はもうひとつ。アチラでは、19年発表の前作『THE SPICE OF FIVE』が、英国のソウル・アワード:Bright Star Award 2019で、インコグニートやカメラ・ソウルと並び最優秀グループ部門のノミネートされているというのに…
タキシード初のベスト・アルバムがタワーレコード限定リリース。オリジナル・アルバムは『TUXEDO』(15年)、『TUXEDO II』(17年)、『TUXEDO III』(19年)とまだ少ないが、その3枚からのシングル曲+人気トラックに加えて、アナログ・リリースに止まっていたリミックス・バージョン、配信シングル、更には新曲<Doin' My Best>を追加収録と、かなりのサーヴィスぶり。これは限定リリースだからといって、見過ごすことはできない内容だ。
コレは超絶にカッコ良い〜 アルバム・タイトルにも掲げられているロニー・リストン・スミスのカヴァー<Expansions>のコトだ。そして続くオリジナル曲<A Lust For Life>は、70年代の古き良きクロスオーヴァー感を湛えたモダン・ジャズ・ファンクで、ポルトガル出身の若きギタリスト:フランシスコ・サレスのジョージ・ベンソン張りの表現力が噴出。それに導かれてレガ・ダウナのハーモニカ・ソロ(彼も弱冠22歳)、ドミニク・グローヴァーのアグレッシヴなトランペットが爆裂する。イヤイヤこのノッケの2曲で、もう降参状態なのだ。
イタリア発のオシャレ・アシッド・ジャズ・グループ:カメラ・ソウルの、日本で3枚目となるニュー・アルバム。本国では通算5作目。先行発売されたUSでは、The Akademia Music Award の2019年7月度 Best R&B/Soul Albumに選出されたそうで、インコグニート、ブラン・ニュー・ヘヴィーズの後継たる好バンドとして発売元の鼻息は荒い。