af55f419.jpg引き続きジェフ・ベック攻めに応戦中。
それこそお題の第2期J.B.G.や『BLOW BY BLOW』〜『THERE & BACK』はもちろん、メンバー関連のハミングバード、ゴンザレス、マハヴィシュヌ・オーケストラ、モータウンのファンク・ブラザーズ、ブッカーT& The MG's、スティーヴィー・ワンダー、それに影響を与え合ってたと思われるトニー・ウィリアムス・ニュー・ライフタイム(ギターはアラン・ホールスワース)とか。
で、第2期系の英国産ファンキー・ロックに考えを巡らせていて、突然こんなバンドを思い出した。ベックには関係ないけど、コチラ側ではきっとベックを意識してたろうな。
どう? 皆さん、このアルバム覚えてます? ベック特集に反応する30〜40代のハード・ロック通過者なら、きっと時代はかぶると思うけど。

そうこのアルバムは、ディープ・パープル解散後の76年に、ジョン・ロードとイアン・ペイスが立ち上げたグループ、Paich Ashton Lordの唯一のオリジナル作品。通称PAL(パル)と呼ばれてた。もうひとりのフロントは、ジョン・ロードのお友達トニー・アシュトン。この人のユニークなキャラと独特のダミ声が、彼らをパープルの幻影から解放してくれる、そんな読みがあったらしい。リッチーはサッサとパープルを抜けてレインボーを始めちゃったけれど、何のコトはない、ジョンもイアンも看板を下ろして、早く自由になりたかったわけだ。

実際このアルバムは、滅法ファンキー! 強いて言えば、ラスト・アルバム『COME TASTE THE BAND』のミディアム〜バラード部分の発展系といえるけど、もっと楽し気にやってるね。当然、ココモやゴンザレスを意識してる。でもビートはもっと重い。とはいえ、ジャズ上がりの技巧派イアン・ペイスがドラムゆえ、なかなか腰の座った16ビートでグイグイ乗らせるから気持ちイイ〜。イアン・ギラン・バンドのようなスリルはないけど、「カモン・ダーリン、ふぁんきぃべいびぃ〜!!」ってな感じか。おっさんロッカーは青筋立てて頑張るより、余裕綽々でエンジョイするのが粋ですゼ。

ちなみにギターは後にホワイトスネイクへ行くバーニー・マーズデン。その後を追うように、ジョンやイアンもホワイトスネイク入りするのはご存知の通り。そしてドライヴしまくるベースは、元ストレッチのポール・マーティン。彼は確か、後年ロバート・プラントのサポートに就く。イヤイヤ、みんなニッチな顔ぶれだね。
ついでに強引にベックに結びつけると、バーニーは元コージー・パウエルズ・ハマーで第2期J.B.G.のリズム隊とタッグを組んでたし、トニー・アシュトンがいたアシュトン・ガードナー&ダイクのキム・ガードナーは、第1期J.B.G.のオリジナル・ベーシスト(デビュー前に脱退)。やっぱ、この辺りの人脈はすぐに繋がっちゃうようデス。

そうそう、タイトルは『不思議の国のアリス』のモジリだけど、ジャケのマリスちゃんはちぃっとオカルティックですな…(怖)