キリンジの堀込兄弟の兄、高樹のファースト・ソロ・アルバムが登場。メーカーからサンプル盤が届くのと同時に、某誌からレビューを頼まれたこともあり、ここ1〜2週間で一番のヘヴィ・ローテーションと化している。そこで感じたのは、カナザワがキリンジに感じていたスティーリー・ダン的な切れ味というのは、やっぱり“キリンジの頭脳”といわれるアニキのセンスだったんだな、ということ。とにかく05年に入ってコロンビアへ移籍したキリンジは、次々と新しいチャレンジを行っている。まず最初に、弟:泰行のプロジェクト“馬の骨”が始動し、アルバムをリリース。この作品は彼のシンガー・ソングライターとしての側面を押し出したもので、キリンジよりネイキッドで芯の強いアコースティック・サウンドを提示した。それに対して兄:高樹のサウンドは、従来のスタイルを一人で再構築したような雰囲気。2人のビミョーな持ち味の違いを、分かりやすく作品化してみせた。普通ソロ・アルバムといえば、グループでできないこと、もっと趣味的なことをやろうと、いわば欲求不満解消策として作り始めるケースが多いわけだが、彼らの場合はコレに当てはまらない。というのも、彼らは2人同時に同じレコード会社の下でソロ活動をスタートさせたわけで、その動きは完全にキリンジというグループ運営の一環としてプログラムされているのだ。つまり、欲求が溜まって爆発する前に、計画的に分解掃除するって寸法。その結果、兄はモア・キンリジ、弟はアウト・オブ・キリンジというカラーが出た。兄がスティーリー・ダンぽいのに、弟はロバート・レスター・フォスラムなんちゅー激シブでフォーキーなカヴァーをやってるし。
分解掃除といえば、70年代後半のイエスも、5人のメンバーが同時にソロ・アルバムを出すというキリンジに近いコトを行ってた。これで新鮮さを取り戻したイエスは、メンバーが再び合体し『究極』という会心作を生み出す。じゃあこの12月にキリンジが出す1年半ぶりの新曲<影の唄>がそれに当たるのか?というと、そいつはチョッと微妙。なにせこの曲は、初の音楽配信限定シングルであり、しかも初のビッグ・バンド・アレンジを施したシロモノ。さらに初の単行本発売、高樹セレクトによる初の洋楽コンピレーションのリリースと、キリンジの場合は年内いっぱい初モノづくしが続く。まだまだチャレンジは現在進行中なわけだ。その中からキリンジの第2ステージが見えてきた時が、彼らにとっての『究極』なのだろう。ちなみにイエスの『究極』の原題は、『GOING FOR THE ONE』。兄弟の想いや方向性が、再びひとつにまとまることが重要なのだ。
というわけで、この高樹の初ソロ『HOME GROUND』。とりわけ、ゲストの原田郁子の歌声とドナルド・フェイゲン調の変態コード進行が冴える<冬来たりなば>、まるで中期スティーリー・ダンみたいな<クレゾールの魔法>、スクリッティ・ポリッティと近年のスティーリー・ダンを賭け合わせてフルートを入れたような<パレードはなぜ急ぐ>等などにヤラレっぱなし。スティーリー・ダンが金歯の歌を作ったように、クレゾールで恋の歌を作っちゃう感性にもアングリだ。キリンジでずっとコンビを組んでた冨田恵一ナシにここまでやったことだって、賞賛に値するだろう。『HOME GROUND』というタイトルは、兄として、頭脳として今までキリンジを支えてきたし、これからもそうしていくという高樹の自負や覚悟の表れのような気がする。
キリンジをAORというとリアルタイム派は反論するかもしれない。でも20代〜30代前半の音楽ファンには、いたって自然なこと。確かにかなりネジレてるけど、それはスティーリー・ダンだって同じだ。むしろ、今のJ-POPシーンで一番個性的、かつハイブリッドなオトナの音楽をやってるのがキリンジだと思う。だからその牽引役の初ソロ作 『HOME GROUND』には、大いに注目してほしいのだ。
分解掃除といえば、70年代後半のイエスも、5人のメンバーが同時にソロ・アルバムを出すというキリンジに近いコトを行ってた。これで新鮮さを取り戻したイエスは、メンバーが再び合体し『究極』という会心作を生み出す。じゃあこの12月にキリンジが出す1年半ぶりの新曲<影の唄>がそれに当たるのか?というと、そいつはチョッと微妙。なにせこの曲は、初の音楽配信限定シングルであり、しかも初のビッグ・バンド・アレンジを施したシロモノ。さらに初の単行本発売、高樹セレクトによる初の洋楽コンピレーションのリリースと、キリンジの場合は年内いっぱい初モノづくしが続く。まだまだチャレンジは現在進行中なわけだ。その中からキリンジの第2ステージが見えてきた時が、彼らにとっての『究極』なのだろう。ちなみにイエスの『究極』の原題は、『GOING FOR THE ONE』。兄弟の想いや方向性が、再びひとつにまとまることが重要なのだ。
というわけで、この高樹の初ソロ『HOME GROUND』。とりわけ、ゲストの原田郁子の歌声とドナルド・フェイゲン調の変態コード進行が冴える<冬来たりなば>、まるで中期スティーリー・ダンみたいな<クレゾールの魔法>、スクリッティ・ポリッティと近年のスティーリー・ダンを賭け合わせてフルートを入れたような<パレードはなぜ急ぐ>等などにヤラレっぱなし。スティーリー・ダンが金歯の歌を作ったように、クレゾールで恋の歌を作っちゃう感性にもアングリだ。キリンジでずっとコンビを組んでた冨田恵一ナシにここまでやったことだって、賞賛に値するだろう。『HOME GROUND』というタイトルは、兄として、頭脳として今までキリンジを支えてきたし、これからもそうしていくという高樹の自負や覚悟の表れのような気がする。
キリンジをAORというとリアルタイム派は反論するかもしれない。でも20代〜30代前半の音楽ファンには、いたって自然なこと。確かにかなりネジレてるけど、それはスティーリー・ダンだって同じだ。むしろ、今のJ-POPシーンで一番個性的、かつハイブリッドなオトナの音楽をやってるのがキリンジだと思う。だからその牽引役の初ソロ作 『HOME GROUND』には、大いに注目してほしいのだ。

































それはともかく、僕も冨田ラボ&キリンジの「香りと影」という曲が凄く気に入ってます。キャッチー、でもやってることは高度、って感じですね。スティーリーダンっぽいなーー と思ってたんですが、そんなこと前から当たり前だったのですね?またいろいろ教えて下さい。