9f63f3f3.jpg昨年11月にリリースされた、何と12年ぶりとなるケイト・ブッシュの新作(安価な外盤はコチラから)。最初に年末に聴いた時は“ながら聴き”したのだけれど、相変わらずのケイトらしさにチョッピリ安心しつつ、やはりジックリと対峙しなけりゃいけないと即座に痛感。2枚組というヴォリューム感以上に、深く広大なケイト・ワールドが広がっている。
カナザワ的には、ケイトといえば、どうしてもデビュー・アルバム『天使と小悪魔(THE KICK INSIDE)』や2枚目『LIONHEART』の印象が強い。特に『LIONHEART』はピリピリするような緊張感とゆったり包まれるような温もり感が同時に味わえ、それから数年の間は冬の愛聴盤になっていた。そのお陰で次の『魔物語(NEVER FOR EVER)』には、なかなか馴染めなかったりもした。振り返ってみると、ケイトにどっぷりハマってたのはその頃まで。以後の作品も常にリアル・タイムで耳に入れていたものの、それほど聴き込んだ記憶はない。でも、どうだろ。この新しいアルバムには、何処かグイグイッと引き込まれそうな魔力が潜んでいる気がする。けがれを知らぬお姫様シンガーというデビュー当時のイメージは、今では“孤高の女性アーティスト”になったけれど、根底に流れる透明感、スピリットにはいささかの変化も無い。それなのに、かつてのケイトの諸作品に比べると、初期作品の同じように何故か親近感が湧くんだな。

でも、その原因を突き詰めるには、あまりに聴き込みが足りなすぎる。だって今も事務処理をしたり、このblogを書きながら聴いてるわけで…。ただひとつ、ヒントになりそうなのは、新作の『AERIAL』というタイトル。その意は「空気のような…」ということらしく、2枚のディスクもそれぞれ海と空がテーマになっている。もちろんケイト自身がこの12年の間に母親となり、育児に専念していたことも無縁ではないだろう。ちょうど収録曲の中に<π〜円周率>という数字を羅列した曲があるけれど、かつての「3.14」を強引に「3」と教えてしまう今の日本の教育下では、ケイトのような超個性派アーティストは生まれないだろうな。…イヤ、かえってハミ出し者が多く生まれ、その中で異端児が育つのかも。よく分からんが。

ところで、ケイトの紙ジャケ・シリーズ、初期の2〜3枚だけでも買おうかどうか悩んでます。でもやっぱり昔の人は、ファーストの関しては原盤ジャケじゃなくって、可憐なケイトのドアップに胸キュンなんだよね。