8a487a8b.jpg訃報。ジャズ・ピアニストの本田竹廣が12日夕、急性心不全のため都内の自宅で急逝した。享年60歳。95年,97年と2度も病に倒れたことは知っていたから、この突然の知らせを聞いても別段驚きはしなかった。むしろ、まだ現役で頑張っていたのが不思議なくらいだったが、やっぱり3度目の生還はならなかった。
竹廣氏はいわゆるジャズ畑の人であり、リーダー作も多数。でも僕らに馴染みがあるのは、このNative Sonくらい。折しも昨年のCrossover Japan'05では久し振りにベスト・メンバーで再結成され、なかなか熱い演奏を繰り広げてくれた。あの時も独特のダミ声でぶっ切らぼうに喋る竹廣氏が印象的だったが、結局アレが最後の大舞台になってしまったようだ。

さて、この『SAVANNA HOT LINE』は、Native Sonのセカンド(79年録音)。デビュー・アルバムからTV-CMに使用された<Super Safari>が当たり、かなり熱い注目を浴びる中でのリリースだったと記憶している。他のJ-フュージョン・グループ、例えばCasiopeaとかSquare、Prismなどと違い、本田や峰厚介(sax)など主要メンバーはモロjazzからの転向組。当時はスーパー・グループの登場として、大きな話題を提供した。実際その音も、若さに任せてテクニックをぶつけさせるものではなく、軽快なアンサンブルを提供しながら、個々のソロ・プレイでジワジワ盛り上げていく手法だった。海外で言えばCrusadersのようなタイプで、大人のフュージョン・バンドといった味があった。末期にはドラムに息子の本田珠也が参加したりして、意外と長寿のバンドのなったが、やっぱり彼らの代名詞と言えばファースト『NATIVE SON』とこの2枚目『SAVANNA HOT LINE』だろう。久々にコレを聴きながら、思わず合掌…。